研究課題/領域番号 |
07670364
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒瀬 尚 千葉大学, 医学部, 助手 (10261900)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | NK1.1^+T細胞 / NK細胞 / NKR-P1 / Fas抗原 / Fasリガンド / IL-4 / IFN-γ / IL-12 |
研究概要 |
我々は、NK1.1^+T細胞が恒常的にFasリガンドを発現することや、IL-4やIFN-γ等のリンフォカインを産生すること等から、免疫反応の制御細胞として、また、エフェクター細胞として重要であることを明らかにしてきた。特に、NK1.1^+T細胞は、胸腺内でFasリガンドを発現する唯一の細胞であり、未熟なCD4^+CD8^+胸腺細胞に対してFas依存性に細胞障害性を示すことから胸腺細胞分化の制御細胞として重要な細胞である可能性を明らかにした。本研究では、さらに、胸腺以外ではどの様な細胞がFasリガンドを発現しているかについて解析を進めたところ、末梢リンパ組織において、ナチュラルキラー細胞もFasリガンドを恒常的に発現し、Fas依存性細胞障害性を示すことを明らかにした(Arase et al.J.Exp.Med. 1995)。また、ナチュラルキラー細胞は、IFN-γを産生することにより、腫瘍や感染に対する免疫防御反応において重要な機能を担っている。一方、NK1.1抗原はナチュラルキラー細胞の抗原レセプターの一つであるNKR-P1に属する。そこで、NK1.1を発現するナチュラルキラー細胞やNK1.1^+T細胞のIFN-γ産生能におけるNK1.1分子の機能を解析したところ、いずれの細胞ともNK1.1刺激に対して高いIFN-γ産生を示すことを明らかにした。このIFN-γ産生は、ナチュラルキラー細胞を活性化することで知られているIL-12非依存性であったことから、新たなIFN-γの産生経路として重要であることが明らかになった(Arase et al.J.Exp.Med.in press)。以上のより、NK1.1を発現するナチュラルキラー細胞およびNK1.1^+T細胞双方とも免疫系において重要な機能を担っていることが判明した。本研究では、さらに、NK1.1遺伝子の中にToxin遺伝子を組み込んだNK1.1^+細胞欠損マウスを作成するという新たな試みによって、それらの細胞の機能の解析を試みている。現在、Toxin遺伝子を含んだES細胞を作成し、キメラマウスの作成中であるが、以上の結果よりNK1.1^+細胞欠損マウスの作成は、ナチュラルキラー細胞やNK1.1^+T細胞の機能解明において非常に重要な試みであることが明らかになった。
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