研究課題/領域番号 |
07670380
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
東 みゆき 順天堂大学, 医学部, 助手 (90255654)
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研究分担者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | T細胞活性化 / CD28 / CD80 / CD86 / 共刺激分子 / 免疫制御 |
研究概要 |
T細胞の活性化に重要な役割を果たしているとされるCD28シグナル制御の臨床応用への可能性について検討することを目的とし、所性心移植、骨髄移植、自己免疫および遅延型過敏反応などのマウス疾患モデルにおいて、CD28シグナルの免疫応答における役割をin vivoにおいて検討した。 1)マウス骨髄移植モデルにおける急性GVHD制御効果の検討 抗CD80および抗CD86抗体併用投与により急性GVHDの致死効果を明らかに防ぐことができたが、血液学的な再構築の遅れを改善することはできずCD28シグナル以外の経路によるT細胞活性化経路の存在が示唆された。また、この投与によりアロT細胞反応およびTh1サイトカインであるIFNgの産生はほぼ抑制されていたが、特に移植初期におけるTh2サイトカインIL-2およびIL-10の増強が認められ、これが血液的再構築の遅れの原因となっているのではないかと推察された。 2)マウスループスモデルNZB/WF1における発症抑制および治療効果の検討 発症抑制効果の検討においては、両者の抗体投与で蛋白尿,自己抗体産生が抑制され、明らかな生存率の延長を認めたことによりループス腎炎の発症を抗体投与により防止できることがわかった。また、Th2依存性のIgGサブクラス自己抗体産生については抗CD86抗体単独投与でほぼ完全に制御可能であった。このことより、Th2依存性の抗体産生にCD28-CD86相互作用が重要な役割をしていることが示唆された。治療効果についてはある程度の症状改善は認められたが、治癒効果は得られなかった。 3)遅延型過敏症モデルのひとつであるマウス接触性過敏症における抑制効果の検討 高原感作時の誘導期における抗体投与では抗CD86抗体単独でほぼ完全にチャレンジ時の腫脹が抑制された。これは、組織学的な検索から高原刺激語皮膚ランゲルハンス細胞上のCD86のみ選択的発現によるものと考えられた。逆に発現誘導時における抗体投与では、CD80あるいはCD86に対する抗体投与で部分的に腫脹の抑制がみられたが、併用投与においても完全な抑制は得られなかった。高原感作後の所属リンパ節における樹状細胞上にはCD80およびCD86の発現が同程度に認められた。 上記の実験結果を総合的に検討すると、CD80およびCD86を介した共刺激シグナルの関与程度は其れぞれの疾患、病態発症において関わっている抗原提示細胞の種類とCD80/86発現の制御、あるいはT細胞の機能的役割の差に依存し、同じ疾患においてもその相/期において異なることが明らかとなった。
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