研究課題/領域番号 |
07670402
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
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研究分担者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 活性酸素 / 酸化的DNA損傷 / 8-ヒドロキシデオキシグアノシン / HL60 |
研究概要 |
活性酸素による生体損傷が老化及び成人病の発症と深く関わっている。活性酸素は常に生体内で発生している。さらに、活性酸素を発生し、しかもがんや炎症を引き起こす有害な環境因子が数多く報告されており、活性酸素の健康影響を評価する事は、社会医学上の重要課題である。しかし活性酸素による細胞障害、なかでもがん・老化との関連において重要なDNA損傷の発生機構並びにその防御機構については解明されていない。本研究では、これらを解明するため、我々の開発した、活性酸素を発生してしかも酸化的DNA損傷の代表的な指標でしかも変異を誘発する8ヒドロキシグアニン(8OHdG)を効率よく生成するヒト培養細胞実験系を用い以下の研究を行った。すなわち(1)活性酸素産生量と8OHdG生成量の関係、(2)活性酸素産生量のみが8OHdG誘発量の決定要因なのか(3)活性酸素産生量以外に8OHdG生成に影響を及ぼす因子の検討(4)8OHdG生成を促進する条件(5)8OHdG生成を防御するにはどのような化学物質が有効かを検討した。その結果、(1)(2)刺激強度を変化させることのにより活性酸素産生量を変化させると、活性酸素産生量が8OHdG生成量を決定する。しかし、一定刺激強度で、種々の化学物質で活性酸素濃度を修飾すると、過酸化水素あるいはスーパーオキシドといった測定可能な活性酸素濃度は8OHdG生成量と相関しない。すなわちこれらの活性酸素は8OHdGの直接の決定要因ではない。(3)(4)間接的には活性酸素特にOHラジカル生成に関与するが、遷移金属が8OHdG生成量を増加させた。(5)遷移金属キレート剤、イオンチャンネルブロッカー、活性酸素除去酵素群が8OHdG生成を抑制した。これらの結果から、細胞内酸化的DNA損傷はOHラジカルが誘発すること、OHラジカル生成を抑制すればその誘発が防御できることが示唆された。
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