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有機燐農薬による第三の神経毒性「中間症候群」

研究課題

研究課題/領域番号 07670404
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関高知医科大学

研究代表者

木根渕 英雄  高知医科大学, 医学部, 教授 (90045641)

研究分担者 白石 則之  高知医科大学, 医学部, 助手 (30133169)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード有機燐農薬 / 神経毒性
研究概要

有機燐農薬は急性毒性を殺虫剤に応用している。ところが少数の有機燐農薬では急性中毒から回復して数週後に発症する麻痺が認められ、遅発性神経毒性といわれる。本毒性が証明された農薬は生産が中止されるため、入手困難になる。そこで本毒性のモデル物質として、トリオルトトリル燐酸(TOTP)あるいは亜燐酸トリフェニル(TPP)が用いられている。近年、有機燐農薬の急性中毒患者の中に発症の1〜4日後に躯幹部の筋肉が麻痺している患者がいることがわかり、これが有機燐による第三の神経毒性「中間症候群」といわれるようになった。ところで、TOTPによる麻痺とTPPによる麻痺は異なるという指摘がある。筆者らはTPPは「中間症候群」のモデル物質ではないかと疑い、ウズラを用いてTOTPとの比較実験を試みた。毒性試験では毒物の投与方法が要点になる。経口投与、皮下または静脈注射などが用いられているが、これらの方法では急性中毒死がしばしば発生し、急性中毒から回復した後に発症する神経毒性を検出するという目的の妨げになっている。そこでStumpfらが報告(1989)した経皮投与法を用いることにした。TOTPおよびTPPを99%エタノールに溶解し、マイクロ・ピペットで定量してウズラの背部皮膚に滴下するという方法は、急性中毒を抑えて遅発性の神経障害を強く発現させる優れた投与法である。その結果として、TOTPでは1週以上の潜伏期の後にまず運動失調が現われ次第に悪化して麻痺に進行するのに対して、TPPの場合は、投与当日は全く異常がなく、翌日から2日後に突然重症の麻痺が発症することが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 木根渕 英雄: "農薬汚染の広がり" 公衆衛生. 58. 622-626 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Kinebuchi: "Delayed Neuropathy Caused by Organophosphates." Proceeings of International Congress on Peripheral Nerve Toxicity. 33-35 (1993)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Kinebuchi: "What Is "Intermediate Syndrome"?21GC03:Environmental Research" 60. 72-73 (1993)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Kinebuchi: "Influence of Calcium on Delayed Neuropathy." Toxicology Letters. Suppl.192-193 (1992)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Kinebuchi: "Hypocalcemia in Delayed Neuropathy by Organophosphates." Environmental Sciences. 1. 199-204 (1992)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 木根渕 英雄: "最新内科学大系・第76巻「臨床中毒」:農薬中毒(分担)" 中山書店, 313 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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