研究課題/領域番号 |
07670411
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
吉田 貴彦 東海大学, 医学部, 助教授 (90200998)
|
研究分担者 |
相川 浩幸 東海大学, 医学部, 助手 (40102850)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | フォルムアルデヒド / 即時型アレルギー / 遅延型アレルギー / 室内空気汚染 / マウス / アトピー性疾患 / 特異的IgE抗体産生応答 / 耳介腫脹応答 |
研究概要 |
フォルムアルデヒド(HCHO)曝露(500ppb、1日8時間、週6日、6週間)を行ったマウスに実験的に即時型および遅延型の両アレルギー応答を惹起させてアレルギー学的検索を行った。即時型アレルギー感作抗原として卵白アルブミン(OVA)あるいはトリメリト酸(TMA)を、遅延型アレルギー感作抗原としてオキザゾロン(OXZ)を用いた。HCHO曝露によるアレルギー応答に対する影響評価は感作段階および応答発現段階ごとに行った。感作段階への影響は、local lymph node assayを用いて、マウス耳介背面にTMAあるいはOXZを塗布感作した後に、頚部リンパ節の細胞数および増殖活性を測定して行った。TMA塗布により誘導されるリンパ節細胞数の増加とリンパ球増殖活性の亢進はHCHO曝露でさらに促進された。OXZにより誘導される応答にはHCHO曝露で変化が認められなかった。一方、即時型アレルギー応答発現段階でのHCHO曝露の影響をOVA反復投与後の血清中特異的IgE抗体価の測定で評価したところ、曝露群において腹腔内投与でやや増高し、鼻腔内投与で強く抑制され、感作経路の違いにより異なった。遅延型アレルギーの症状発現段階でのHCHO曝露の影響を観察したところ、OXZ感作マウスの再チャレンジによる耳介の腫脹のピークが、HCHO曝露によって早期に移行し腫脹の消退も速やかとなる結果を得た。曝露群の耳介は対照群に比べて細胞侵潤が少ないが非常に浮腫的な組織像をしめした。組織中mRNAの観察では、遅延型アレルギーに関与するサイトカインmRNAの発現が曝露群で抑制された。以上より、HCHO曝露が実験的に誘発したアレルギーに対して、感作および応答発現の両段階で即時型が遅延型よりも優位となることがわかった。これらの結果は、フォルムアルデヒド曝露がアトピー性疾患の増悪因子となることを示唆するものである。
|