研究課題/領域番号 |
07670426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲斐 一郎 東京大学, 医学部, 助教授 (30126023)
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研究分担者 |
小林 廉毅 (小林 康毅) 筑波大学, 医学専門学群, 教授 (70178341)
大井 玄 東京大学, 医学部, 教授 (70114410)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高齢者 / ソーシャル・サポート / 主観的幸福感 / サポート交換 / サポート提供 / サポート受領 / モラール |
研究概要 |
近年、我が国においても、ソーシャル・サポート(個人をとりまく家族や地域社会からの社会的支援)が、健康の維持・増進に対してはたす役割が注目されてきている。サポートの影響は、特に高齢者で強いことが指摘されており、高齢者の健康維持を考える上で、サポートを考慮すべき重要な要因と考えられる。従来の研究では、サポートの受領を主として検討してきたが、本研究は、サポート授受のバランスがとれた(すなわち、他人からのサポートであり、かつ自らも他人を助けている)状態がモラールを高めるという仮説のもとにおこなわれた。 長野県佐久市において、60歳以上の高齢者コホートの追跡調査を実施した。自記式アンケートをおこない、配偶者、子供、友人のサポート源ごとに、情緒的(emotional)、手段的(instrumental)なサポートの受領、提供のバランスと、PGCモラールスケール(PGC)の得点との関係を検討した。具体的には、各サポート源からのサポートの授受の頻度の多少により4群に分けると、サポートの受領、提供、ともに高頻度の群において、他の群よりもモラールが高いことが主な作業仮説である。 一年目の断面調査の結果、配偶者、子供、友人のすべてのサポート源について、受領サポートとPGCとは負の相関を示した。すなわち、受領が少ない者ほどPGCが高い傾向にあった。提供のサポートについては、一部にPGCと正の相関が認められ、サポートを提供する者ほどPGCが高い傾向にあった。しかし、二年目の追跡調査では、一部に受領サポートとPGCとの負の相関が認められたのみであった。以上の結果は、当初の作業仮説とは一致しなかった。自立を保つこと、サポートを他人に提供することが、高齢者の主観的幸福感維持に与える影響が大きいことが示唆されたと考えられる。
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