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高齢化した元水銀鉱山退職者・マンガン精錬工程従事者の神経・精神機能とADL…加齢と重金属暴露の複合影響に関する追跡的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670448
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 公衆衛生学・健康科学
研究機関札幌医科大学

研究代表者

岸 玲子  札幌医科大学, 医学部, 講師 (80112449)

研究分担者 佐藤 剛  札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00162446)
高畑 直彦  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20000987)
三宅 浩次  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20045363)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード水銀鉱山退職者 / 運動機能 / 認知機能 / 協調機能 / MRI / CT / 振戦 / 誘発電位 重心動揺度
研究概要

1.北海道I水銀鉱山退職者について、閉山後18年目に行った第1次調査を引き続き、この間に死亡した10数名と入院中の者、遠隔地で参加できない者などを除いた45名について、閉山後23-5年目に第2次追跡調査を行った。現時点の中枢神経系の自覚症状は鉱山で働いていた当時に比べていずれも改善していた。すなわち、ふるえ、歯茎のはれ、イライラ、憂鬱、痩せなどは現在のほうが症状が軽かった。逆に現在は目がかすむ、腰背痛、性欲減退、酒に酔い易い、耳が聞こえづらいなど老化症状が前面に出ていた。息切れ、咳やたんなどの呼吸器症状も有意に現在のほうが多かった。
2.神経行動テストバッテリ-を組んで精神神経運動機能を精検した。水銀鉱山退職者の神経・運動機能は、職種や暴露年数、暴露打ち切り後の年数と有意に関連していた。年齢で層別に解析すると協調機能Aimingでは機能の低下が年齢が高いほど差が大きかった。
3.北大放射線科、北見日赤病院・精神科と放射線科の協力を得て、MRIおよびCT検査および振戦、重心動揺度、視覚・聴覚誘発電位も測定した。振戦は就業時より明らかに改善されていた。聴覚誘発電位は遅れが認められたが、水銀暴露より削岩工具による高音部障害のためと考えられた。MRIとCT検査では、暴露濃度が高く、暴露期間が長かった削岩従事者で脳の萎縮が多く認められた。MRI上ではT1、T2強調下で脳の梗塞所見が認められたほかは特徴的な異常所見は認めなかった。
4.これら元退職者の臨床所見では小脳性失調1名、姿勢性振せん7名を認めたが、ALSなどの運動ニューロン疾患の症例は認めなかった。従って、観察された神経運動機能の障害は、全体としてみると後遺症としての程度は軽く、年齢をマッチした暴露群との比較で明らかになる程度と考えられた。なお現地点の血中・尿中・毛髪中の水銀濃度はいずれも日本人の平均水銀濃度範囲内であった。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岸玲子: "産業と脳神経系,7.鉱山労働者の水銀中毒" Brain Medical. 8(印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 岸玲子(他): "MRI・CT所見からみた水銀鉱山退職者の神経障害" 産業神経行動研究会. (発表予定). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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