研究課題/領域番号 |
07670454
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
|
研究分担者 |
野中 浩一 帝京大学, 医学部, 講師 (80142446)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 石綿 / 石綿肺 / 胸部X線写真 / 画像処理 / 定量的評価 / 塵肺 |
研究概要 |
これまで研究代表者等は、わが国のじん肺標準フィルムの中の石綿肺フィルムを画像解析装置で測定し、肺野内X線吸収度の鉛直方向の変化が、石綿肺進展度とよく対応することを発表している。今回この方法の条件の改良・検討を行い、国際石綿協会のデモフィルムを新しい方法で測定し、その結果と専門家の判定による進展度との対応を検討した。今回の改良・検討点は、測定軸決定の標準化と、助骨影マスキングの省略、肺野長個人差の補正、フィルム濃度の補正である。そしてこの改良された方法により、国際石綿境界の1985年の石綿肺デモフィルム100枚のうち、情報に欠損の無い92枚について、画像処理システムNEXUSを用い解析した。石綿肺の進展度については、フィルムの添付情報にある12人の専門家の進展度の判定の中位置を用い、進展度に等間隔を仮定して横軸とし、吸収度の傾きをプロットした。その結果、各進展度毎のフィルム数には大きな偏りがあるが、それぞれの進展度毎の傾きの平均値でみると、進展度2までは進展度と共に傾きが大きくなったが、最後の3度では逆に傾きの絶対値が減少していた。今回の検討で、石綿肺フィルムの画像取り込みとその解析について、方法の標準化をすることができた。わが国のじん肺標準フィルムで見られた、鉛直方向の濃度の傾きと進展度との一様の関係は、国際石綿協会のデモフィルムの、特に高度進展例では必ずしも成立しなかった。また同じ進展度の中でも、個々のフィルム毎のばらつきが非常に大きいことが明らかになった。じん肺進展度の評価の客観化の必要性は非常に高く、今後デモフィルムの個々についての検討を行うと共に、わが国の石綿作業者のフィルムの経時的な観察で、更に検討する予定である。
|