研究概要 |
1)SMoRの算出 平成元年度から平成5年度までの国保レセプト,巡回診療実績報告により標準化受療比(SMoR)の算出を行った。SMoRつまり医療確保の実現度は島間で比較すると,巡回診療が占める割合が大きく,最大1.5倍の差しかみられなかった。 2)離島住民を対象とした保健医療意向調査 医療確保の実現度を左右する住民側の要因を検討したところ,歯科巡回診療班に対する評価は総じて高く,各島間で差はなかった。しかし,島別の受診の有無の程度はアクセシビリティと関連がなかった。島外での歯科受療の障害となるのは,時間がもっとも多く,ついで診療費以外に要する費用の負担であった。 3)評価モデルの検討 各離島のアクセシビリティの困難性が,巡回診療でどの程度改善されるかを検討するためにPotential Spatial Accessibilityモデルによる計量を行った。 Potential Demandを考慮しない場合,諏訪之瀬島のPotential Spatial Accessibilityを1とすると悪石島で0.99であり,竹島は3.04であったが,Potential Demandを考慮すると悪石島は0.98で,竹島は1.83となり,最も高いのは硫黄島の2.03であった。 修正されたPotential Spatial Accessibilityは医療確保の実現度に対するあてはまりがよく,離島歯科医療計画の比較を可能にる指標であることが示された。
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