研究課題/領域番号 |
07670486
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
玉木 敬二 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90217175)
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研究分担者 |
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223571)
山本 敏充 名古屋大学, 医学部, 助手 (50260592)
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒトミニサテライト / MVR-PCR / ヒトの分岐 / 分子進化 |
研究概要 |
ミニサテライトDNAの繰り返し単位内の変異をマッピングするMVR-PCR法を用いて318個の血縁関係のない日本人のMS32のアリルを分析したところ、異なるアリルは302種類検出された。ドットマトリックス法によってホモロジーの分析をしたところ、75.5%のアリルがそれぞれ部分的に特定のリピートで配列を共有する31のグループに分けられた。分類したアリルを並べてみると、5′末端で各アリルのリピート配列は異なっているが、3′末端に近づくにつれて類似した配列を多く持つようになり、このミニサテライトの5′末端付近の突然変異が膨大な多形性をもたらしたのであろうと推察された。また、Prof.Jeffreysより供与されたCaucasianやAfricanなどの他の人種・民族のアリルデータベースを合わせて、同様に分類して比較したところ、グループ内のアリル相互のホモロジーが極めて高く、殆ど単一の人種・民族のアリルで構成されるものと、数十個の複数の異なる人種・民族のアリルがサブグループを形成しながら、全体にはホモロジーの緩やかな大きなグループを構成するものの2つに大別された。 さらに、MS32と同程度の高変異ミニサテライトであるMS31Aにおいても、同様に日本人アリルの分析をおこなった。3種類のアリル特異的MVR-PCRによって149個のアリルをマッピングしたところ、異なるアリルが147種類検出され、99.99%以上の高いヘテロ接合度を示したが、17.4%のアリルは全長50リピート程度の比較的短いものであり、これらの殆どが酷似したリピート配列を持ち、Caucasianのアリルには見られないものであった。このグループのアリルの突然変異率は高くないことが予想され、これらのアリルはMS32において示されたアリルの突然変異率がフランキング領域の制御を受けていることを、違うローカスで採る貴重な資料となるものと予想された。 このように、MS32およびMS31アリルのMVR-PCRによるマッピングは民族特異性や相互の関連性について極めて有力な情報を与える遺伝マーカーになり得るものと期待された。
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