研究課題/領域番号 |
07670492
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
松原 和夫 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20127533)
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研究分担者 |
井津 智子 島根医科大学, 医学部, 助手 (80263515)
高橋 節典 島根医科大学, 医学部, 助手 (90032226)
木村 恒二郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (30153191)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 健忘 / ベンゾジアゼピン / アルコール / グルタミン酸 / ブレインマイクロダイアリス / 海馬 |
研究概要 |
ベンゾジアゼピンとアルコールとの併用により前向性健忘が高率で発生する。この臨床的特長は、比較的長い作業記憶は良好に保持されているに対し、参照記憶(長期記憶)が全く形成されないことにある。このことは、これら薬物の併用が、効果的に長期記憶形成を阻害していることを示唆し、健忘モデルとして神経化学的な研究に有用であることを示すものと考えられる。本研究では、このベンゾジアゼピンとアルコール併用時のラットを健忘モデルとして用い、インビボ・マイクロダイアリス法を用いて海馬CA1領域のグルタミン酸の経時的変化を捕え、健忘すなわち長期記憶形成に関わるメカニズムを考察した。ベンゾジアゼピン薬物として、臨床上高率に健忘が生じるトリアゾラムと比較的健忘が生じないとされるリルマザホン(それぞれ20μg/kg・腹腔内投与)及びアルコール(2g/kg・経口投与)におけるそれぞれ単独及び併用時の海馬グルタミン酸の放出を経時的に観察した。グルタミン酸の検出は、プレラベル化によるHPLC/蛍光検出によって行った。その結果、アルコールとハルシオンで両者ともグルタミン酸の放出を投与後1時間から約20%抑制したが、リルマザホンではその抑制は認められなかった。アルコールとハルシオンの併用では、グルタミン酸レベルは40-50%まで低下し、しかも長時間持続した。これらのグルタミン酸放出抑制効果は、臨床使用上の経験と一致し、恐らく記憶の形成の阻害と密接に関与するものと考えられる。しかし、この抑制効果がGABA受容体を介したグルタミン酸神経の抑制によるものと考えられる。しかし、この抑制効果がGABA受容体を介したグルタミン酸神経の抑制によるものかどうか、あるいは記憶との直接の関与については更に検討が必要であると考える。
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