研究概要 |
我々慢性肉芽腫症患者で欠損しているNADPH oxidaseの各構成蛋白について研究しており、モノクローナル抗体作成、無細胞系での活性測定、患者病型分類や遺伝子解析など臨床的な調査を行ってきた。また同時に遺伝子治療の基礎的研究として、アデノウイルス、レトロウイルス等の試みをしてきた. 今回,癌化学療法センター杉本芳一博士と共同研究で、in vivo selectionが唯一可能な多剤耐性遺伝子であるMDR1とIRES (Internal Ribosomal Entry Site)を組み込んだbicistronicなpHa-MDR Retrovirus vectorにgp91-phox,p47-phox,P67-phox cDNAを組み込んだ。作成した各plamidをPA317packaging cellへtransfectして、vincristineで耐性になった細胞をクローニングし,さらにこの細胞培養上清を3T3 cellに感染させ、各構成蛋白の発現をFACSやWester blottingで確認した。各構成蛋白を発現しているウイルス産生PA317細胞をクローニングし、その培養上清のウイルスタイタ-を3T3 cellで測定し3-5x10^4pfu/ml程度のウイルス産生を確認した。この培養上清を患者抹消血から樹立したEB virus established B cellに感染させ、各構成蛋白の発現をFACSまたはWestern Blottingで確認すると同時にgp91-およびp47-phox導入細胞では活性酸素産生の再構築が得られた. 今後、マウスを用いてこのウイルスベクターの有用性と安全性を確認していこうとしている
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