研究課題/領域番号 |
07670532
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6型 / HIV / エイズ / アポトーシス / Fas / TNF / CD4陽性T細胞 |
研究概要 |
1.目的:ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)は、CD4陽性T細胞に感染性を有するウイルスであり、HIVのLTRを活性化させることなどから、エイズ発症の重要なcofactorである可能性が提唱されている。本研究は、HHV-6感染CD4陽性T細胞における細胞死のメカニズムを明らかにすることを目的に実施した。 2.方法と結果:CD4陽性T細胞株JJHANにHHV-6を接種したところ細胞死が惹起された。また、HHV-6感染細胞にTNF-αを添加することにより、その細胞死は増強された。HHV-6感染細胞DNAをアガロース電気泳動を行ったところ、DNA断片化が認められ、電子顕微鏡的観察によって細胞死はアポトーシスによることが判明した。フローサイトメトリーとスキャッチャード解析によって、TNFレセプターはHHV-6感染により発現増強することが明らかとなった。アポトーシス関連分子であるFasとBcl-2の発現量はHHV-6感染によって変化なかったが、抗Fas抗体添加によるアポトーシスは著明に増強され、HHV-6感染がFasを介した情報伝達系に影響を与えることが示唆された。さらに、抗HHV-6抗体とpropidium iodideとの二重染色によるフローサイトメトリーによって、アポトーシスをきたす細胞はHHV-6抗原陰性であることが判明し、アポトーシスにはウイルス増殖は直接関与せず、“bystander effect"によるものであることが明らかとなった。 3.結論:HHV-6感染によってCD4陽性T細胞はアポトーシスをきたした。HHV-6感染によってTNFレセプターの発現増強と抗Fas抗体によるアポトーシス増強が惹起された。HHV-6によるアポトーシスにはウイルス増殖は必ずしも必要でないことが示された。以上の結果は、HHV-6がエイズ発症の重要なcofactorであることを示唆している。
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