研究課題/領域番号 |
07670543
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 助教授 (70197226)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | エストジオール / P糖蛋白 / ビンブラスチン / 胆汁 / エストラジオール-グルクロナイド / 先天性黄疸ラット / 胆汁酸 / 有機陰イオン |
研究概要 |
我々はこれまでに胆汁うっ滞起因物質であるエストラジオール17β-グルクロナイド(E_217G)が、有機陰イオンの排泄障害のある先天性黄疸ラットEHBRでは胆汁うっ滞を起こさないことを報告した。これに対し最近のmultidrug resistant sarcoma cell lineを用いた実験から、E_217Gが抗癌剤の胆汁中排泄に関するP糖蛋白により胆汁中排泄される可能性が報告されている。本研究ではこれらのdiscrepancyに原因を明らかにするため、E_217Gを中心にストラジオール(E_2)抱合体の胆汁中排泄をSD系ラット(SDR)および先天性黄疸ラットEHBRで検討した。EHBRではE_217GおよびE_2抱合体の胆汁中排泄は著明に遅延した。胆汁中のE_2代謝物は、SDRではグルクロナイドおよびサルフェートの両者がみられたが、EHBRではグルクロナイドの排泄が特異的に阻害されていた。P糖蛋白の発現を増加させるphenothiazine投与により、その基質であるvinblastineの胆汁中排泄は促進されたがE_217Gの排泄は変化しなかった。しかし、E_217G大量投与によって生じる胆汁うつ滞はphenothiazine投与により抑制され、E_217G自身の胆汁中排泄も著明に増加した。SulfobromophthaleinによりE_217GおよびE_2抱合体の胆汁中排泄は著明に阻害されたが、類似の非代謝物であるdibromosulfophthaleinによっては、ほとんど影響を受けなかった。Vinblastineの腹腔内投与によってE_217GおよびE_2抱合体の排泄は影響されなかった。以上より、E_217Gは生理的にはSulfobromophthaleinと共通の有機陰イオン排泄経路により胆汁中に排泄されるが、大量投与時にはP糖蛋白もその排泄に関与するものと考えられる。
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