• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

消化器癌におけるチロシンホスファターゼの異常に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670591
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関神戸大学

研究代表者

的崎 尚  神戸大学, 医学部・付属病院, 助手 (80252782)

研究分担者 林 祥剛  神戸大学, 医学部, 助教授 (50189669)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードチロシンホスファターゼ / 大腸癌 / 胃癌 / SAP-1 / CL100 / 腫瘍マーカー
研究概要

A.研究目的
リン酸化チロシンを脱リン酸化するチロシンホスファターゼ(PTPase)は、生理的な細胞増殖や、発癌過程の関与している可能性が想定される。私達は、最近、ヒト胃癌細胞より、全く新しいタイプの受容体型PTPase, SAP-1の遺伝子クローニングに成功した。SAP-1は、正常大腸癌粘膜には、ほとんど認めなかったが、多くの大腸癌細胞株に過剰発現を認めている。そこで、本研究においてはヒト大腸腺種及び大腸癌組織におけるSAP-1の発現を検討することを計画した。また、患者血中のSAP-1活性を検索することを計画した。さらに、CL-100と呼ばれるPTPaseの消化器癌における異常をも検索しようと試みた。
B.方法と結果
1.内視鏡検査や、手術時に得られた大腸腺種及び大腸癌組織におけるSAP-1の発現を、免疫組織化学的に抗SAP-1モノクローナル抗体を用いて検討した。46例の大腸癌組織中20例にSAP-1の高発現を観察した。14例の大腸腺種中では、2例のみに、SAP-1の高発現を観察し、この2例とも腺種内癌を伴った症例であった。
2.CL-100の遺伝子発現を、胃癌細胞8株、大腸癌細胞3株につき検討した。正常胃および大腸における発現に比し、胃癌細胞や大腸癌細胞においては、CL-100の遺伝子発現の低下を認めた。CL-100の遺伝子変異についても検討を行ったが、明らかな変異の存在は、確認されていない。
C.考察
本研究により、SAP-1がヒト大腸癌組織においても、高頻度に高発現していることが明らかになった。以前より、大腸癌組織や、大腸癌細胞株において、c-srcのC末端の脱チロシンリン酸化が認められ、c-src活性の上昇が報告されている。従って、SAP-1の消化器癌における過剰発現が、c-srcのC末端の脱チロシンリン酸化を介して、c-srcを活性化させ、発癌機序に関与している可能性が想定される。SAP-1のモノクローナル抗体を早急に作成し、患者末梢血中の、SAP-1を測定し、SAP-1を新しい腫瘍マーカーとして臨床的に応用しようと考えている。また、CL-100の発現低下に関しても今後、ヒト胃癌、大腸癌組織における検索を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Motozaki, T.: "Roles of protein tyrosine phosphatase in growth factor signaling" Cell. Signal.(in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Suzuki, T.: "Localization and Subcellular distribution of SH-PTP2, a protein tyrosine phosphatase with src-homology 2 domains in rat brain" Biochem. Biophys. Res. Commun.211. 950-959 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi