研究課題/領域番号 |
07670627
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
川原 弘 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10177727)
|
研究分担者 |
澤田 信 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50170824)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | VEGF / 肝細胞癌 / 免疫染色 / Hypoxia / 血管新生 / Hyoxia |
研究概要 |
VEGFにはスプライシングの違いによってアミノ酸の異なる4種類のサブタイプ(それぞれVEGF_<121>、VEGF_<165>、VEGF_<189>およびVEGF_<206>の存在が知られている。そこで、Exon1からexon8の間を増幅するprimersetを設定し、4種類のmRNAの発現をRT-PCR法で検討したところ、培養肝癌細胞HepG2のVEGF mRNAはVEGF_<121>、VEGF_<165>およびVEGF_<189>の3種類が発現していることが明らかになった。VEGFのサブタイプによって生理作用の違いが推定されてきており、サブタイプ発現の差異にどのような臨床的意義があるのかは今後検討すべき課題であると考えられる。次に、肝硬変を基礎とする肝癌患者におけるVEGFの発現を非癌部と癌部で比較検討した。非癌部肝組織におけるVEGFの発現をみてみると、再生結節の肝細胞が弱く染色され、硬変肝の隔壁内血管平滑筋細胞および一部の増生胆管細胞なども陽性を示した。一方、肝癌組織におけるVEGFの発現をみると、壊死部に近接した肝癌組織においてきわめて強く染色されるほか、脈管に浸潤・転移した肝癌細胞にもVEGFの強い発現が認められた。肝癌組織における染色結果をまとめてみると、VEGFの発現は肝癌36例中12例(33%)に認められ、分化度別の陽性率は、高分化で0%、中分化で40%および低分化で20%だった。中分化型肝癌で発現率が高い傾向が認められたが、推計学的に有意とまではいえなかった。今回の免疫組織化学的検討では壊死部に近接した肝癌組織でVEGFがきわめて強く染色されたことから、虚血部位におけるVEGFの産生亢進を示唆する所見と考えられた。また、脈管に浸潤・転移した肝癌細胞にもVEGFの強い発現が認められ、VEGFが肝癌細胞の浸潤・転移にも大きく関与しているものと推定している。
|