研究課題/領域番号 |
07670635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
光山 慶一 久留米大学, 医学部, 助手 (20200066)
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研究分担者 |
白地 哲 久留米大学, 医学部, 助手 (20279152)
佐伯 友久 久留米大学, 医学部, 助手 (60279148)
立石 秀夫 久留米大学, 医学部, 助手 (80258441)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | インターロイキン10 / 炎症性腸疾患 / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 / サイトカイン / デキストラン硫酸 / 腸炎 / 実験腸炎 / 腫瘍性大腸炎 |
研究概要 |
IL-10の炎症性腸疾患での意義を明らかにするため、患者検体とマウスのデキストラン硫酸(DSS)大腸炎モデルを用いて検討を行った。 1.患者検体でのin vivoの検討 炎症性腸疾患でのサイトカイン産生に及ぼすIL-10の影響をみるため、腸粘膜組織、末梢単核球細胞に、種々の濃度のIL-10を添加し、培養後の上清中IL-1、TNFα、IL-1レセプターアンタゴニスト(IL-lra)濃度を測定した。IL-1、TNFα濃度は添加したIL-10の用量依存性に低下し、IL-lra濃度はIL-10の用量依存性に増加した。 2.マウスDSS腸炎での検討 (1)サイトカイン濃度の推移 Balb/cマウスを、DSS飲水開始前から開始後7日目まで経時的に屠殺し、大腸組織中の炎症性サイトカイン濃度を測定した。IL-lβ、TNFα濃度は、myeloperoxidase活性と同様、DSS投与開始後5日目で頂値となり、IL-10濃度は遅れて頂値となった。 (2)in vitroでのIL-10、抗IL-10抗体の添加 DSS腸炎および正常マウスより採取した大腸組織に、IL-10または抗IL-10抗体を添加して培養し、上清中のサイトカイン濃度を測定した。IL-lβ、TNFα濃度は、IL-10添加により減少し、抗IL-10抗体添加により増加した。 (3)in vivoでのIL-10、抗IL-10抗体の投与 DSS腸炎マウスにIL-10または抗IL-10抗体を腹腔内投与し、DSS投与開始後7日目に屠殺し、腸炎の程度を評価した。IL-10の投与により、体重減少、便潜血反応、腸管長、組織学的所見などの指標は、コントロール群に比べて改善がみられた。一方、抗IL-10抗体の投与では、これらの炎症指標は増悪傾向がみられ、特に腸管長の短縮は有意であった。 DSS腸炎においてIL-10が腸炎の制御に実際に関与しており、IL-10の投与が腸炎の改善をもたらすことが明らかとなった。今後、IL-10の治療薬としての応用が期待される。
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