研究課題/領域番号 |
07670640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 福井医科大学 (1996) (財)東京都臨床医学総合研究所 (1995) |
研究代表者 |
藪 剛爾 福井医科大学, 医学部, 助手 (60240793)
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研究分担者 |
小原 道法 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (10250218)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | C型慢性肝炎 / 組み替えC型肝炎ウイルス抗原 / 細胞性免疫応答 / 抗原特異的増殖反応 |
研究概要 |
C型慢性肝炎においてはウイルスの持続感染が成立している理由として宿主の免疫応答が弱いため、十分な排除機構が作用していない可能性が考えられる。ウイルス排除には細胞性免疫の関与が重要とされるが、この分野でのC型肝炎ウイルス抗原に関する解析はいまだ十分になされていない。今回我々は、C型慢性肝炎患者におけるHCV各領域の組み替え抗原に対する細胞性免疫レベルでの免疫応答を調べるため、組み替えC型肝炎ウイルスの各領域をコードする遺伝子をcell lineに発現させて、組み替え抗原を作成した。抗原の種類としては、HCVのコア領域(Pc)、エンベラップ領域であるE1, E2/NS2の領域(Ac-E1およびAc-NS1)、非構造領域としてNS3領域由来蛋白(Pn3)を作成した。これらの抗原をaffinity column、等の方法で純化した。この組み替え蛋白、糖蛋白を用いて、患者末梢血から分離したリンパ球に対する感作状態を細胞性免疫レベルで調べるため、抗原特異的増殖反応を行った。NS-3とcore抗原に対する応答は正常者に比して慢性肝炎患者で有意に高かった。E1,E2/NS2抗原に対する応答は肝の逸脱酵素であるALTが100IU/Lを越える患者では、それ以下の患者に比して有意に高かった。組織学的診断はNS-3とcore抗原に対する応答と相関性はなかった。一方、E1,E2/NS2抗原に対する応答は、肝硬変患者と慢性活動性患者において慢性非活動性肝炎患者および正常者に比して有意に高かった。すなわち、NS-3とcore抗原に対する応答はC型肝炎の感染成立に関して上昇するが、E1,E2/NS2抗原に対する応答は疾患の進行度や活動性に比例して上昇することが示された。
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