研究課題/領域番号 |
07670660
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松瀬 健 東京大学, 医学部(病), 助手 (90199795)
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研究分担者 |
須藤 英一 東京大学, 医学部(病), 医員
岡 輝明 東京大学, 医学部(病), 助手 (60177029)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ActivinA / 肺線維症 |
研究概要 |
Activin AはTGFΒsupergene familyに属する成長因子であり、間葉系の誘導活性を有し、種々の細胞の分化誘導、増殖能を有するほか多くの生物活性を持つことで注目されている。ActivinAの肺組織における検討は報告がなく、本研究では肺胞マクロファージが重要な役割を担う肺の線維化に着目し、その発現について検討した。ブレオマイシン(BLM)肺障害モデルを用い、ActivinAの肺組織における発現を免疫組織学的にならびにActivinAの赤芽球誘導能を利用したEDF(Erythroid differentiation factor)assayを用い、肺胞マクロファージにおけるActivin Aの産生を検討した。加えて、ヒト切除肺および培検肺を用い、主に肺線維症症例を対象とし(特発性肺線維症6例、diffuse alveolar damage3例 リューマチ肺1例、肺高血圧症3例、正常肺10例)肺組織中におけるActivinAの有無と発現とその局在につき蛍光免疫組織学的検討を行った。 正常マウスおよびヒト肺組織における免疫組織学的検討より、生理的状態におけるActivinAの産生は主に血管平滑筋ならびに細気管支上皮細胞と考えられた。BLM肺障害マウス肺の免疫組織化学では、BLM処理後線維化巣および肺胞マクロファージでActivinAの発現がみられ、さらに処理後14日に採取した肺胞マクロファージの培養上清中のActivinA活性の上昇を認めた(Am J Respir Cell Mol Biol 1995)。ヒト肺組織(DAD症例、肺線維症症例)での検討では、肺胞マクロファージでの産生の亢進がみられ、さらに肺の線維化病巣やremodeling組織において発現の増強が認められた。これらの所見より、間葉系の誘導活性や線維芽細胞の増殖能をはじめ種々の生物活性を有する成長因子であるActivinAは、肺組織のremodelimgならびに肺線維症の病態に重要な役割を演じている可能性が示唆された(Am J Pathol 1996).
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