研究課題/領域番号 |
07670710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
幸原 伸夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (20252439)
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研究分担者 |
梶 龍兒 京都大学, 医学研究科, 講師 (00214304)
木村 淳 京都大学, 医学研究科, 教授 (10204976)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ALS / MND / 磁気刺激 / 運動ニューロン疾患 / PSTH / 錐体路 / 皮質脊髄路 / 運動単位 / 錐体的 / ALS(筋萎縮性側索硬化症) / MND(運動ニューロン障害) / PSTH(Peristimulus Time Histogram) / Magnefic Stimulation / Corticospinal tract |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は急速に上位および下位運動ニューロンの障害が進行し、数年のうちに死に至る原因不明の難病であり、病理学的には脊髄前角細胞や錐体路などの変性が知られている。上下位運動ニューロンの情報伝達の様子を知ることは本症の病態を考えるうえできわめて重要である。今回の研究では磁気刺激装置を用いて単一運動単位の発火に及ぼす頭部磁気刺激の影響を解析し、12人のALS患者における前角細胞部における上下位運動ニューロンの病態について検討した。正常対照(13)下位運動ニューロン疾患患者(9)、脳血管障害患者(6)、多発性硬化症患者(6)でについても検討した。その結果 1)正常では刺激からの潜時26.7±2.8msecで、持続時間4.5±0.9msecの単一ピークを示す著名な発火確率の上昇(Primary Peak; PP)をみとめた。前角ニューロンでのEPSPの大きさに対応する指標である、PPの標準化面積(PP extra counts)は0.38±0.14であった。2)ALSのうち罹病期間の短い群では正常人に比べPP extra countsが有意に上昇していた。3)4例のALSおよび1例のMS、1例のCVDではPPが2峰性を示した。 PPはその潜時と持続時間から単シナプス皮質脊髄路由来と考えられる。罹病期間の短いALSでPP extra countsが高値であたことは、前角細胞で大きなEPSPを生じていることを示し、前角細胞での興奮性の増大を意味している。一部の例にみとめられた2峰性のピークのうち第1ピークは単シナプス皮質脊髄路由来であると考えられるが、第2ピークは潜時が遅く持続時間が長いことから多シナプス系が賦活されていると考えられ、上位運動ニューロン障害に対する機能代償ではないかと考えた。
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