研究課題/領域番号 |
07670754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 助手 (60270857)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | カルセクエストリン / カルシウム / 心筋小胞体 / 心臓肥大 / ナトリウム / 水素交換担体 / トランスジェニックマウス / カルシウムポンプ / ナトリウム水素交換担体 / カルシウム貯蔵量 / 水素交換 / カルシウムオーバーレイ |
研究概要 |
ナトリウム/水素交換担体(Sodium/Proton Antiporter)は細胞内pHの維持を担う細胞膜蛋白であるが、細胞増殖作用を持ち、この遺伝子の過剰発現マウス(トランスジェニックマウス)では塩分負荷により、心臓肥大が形成される。この肥大心形成に伴う心筋小胞体のカルシウム貯蔵能の変動について検討し、カルセクエストリンの生理機能を解析した。 1. 高血圧性心肥大形成に伴う心機能の変化、すなわち、心拍数の減少(陰性変時作用)や、収縮弛緩速度の減少には、心筋小胞体Ca2+-ATPaseによるCa2+汲み上げ速度の減少だけでなく、カルセクエストリンによるカルシウム貯蔵能の低下が大きく寄与していることが明らかになった。 2. 著者は圧負荷肥大心では、圧負荷の程度によらず、カルセクエストリンmRNA発現量が変動しないことを既に報告している(J Moll Cell Cardiol 28:1583-1590:1996 Arai M.et.al.)。本研究により、カルセクエストリンは遺伝子転写レベルではdown-regulationがみられないものの、機能レベルでは低下がみられ、mRNAと機能の間に解離があることが判明した。 3. 本研究の肥大心では、Ca2+輸送能の変動は心機能(心拍数)の変動とよく相関した。肥大に伴うカルセクエストリシを介した細胞内Ca2+貯蔵能の変化やSRCa2+-ATPaseを介したCa2+汲み上げ能の変化は、心筋細胞肥大刺激としてではなく、心機能の調節因子としてのみ作用する。 最近、カルセクエストリンはCa2+放出を行うリアノジン受容体と介在蛋白を介して機能的複合体を形成するとの報告がある。今後、Ca2+放出能との同時測定や、カルセクエストリンの転写、翻訳時の遺伝子制御機構についての研究を計画している。
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