研究課題/領域番号 |
07670755
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 利之 東京大学, 医学部(病), 助手 (40236302)
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研究分担者 |
原田 和昌 東京大学, 医学部(病), 医員
池ノ内 浩 東京大学, 医学部(病), 助手 (10261968)
河本 修身 東京大学, 医学部(病), 助手 (00261967)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | サイトカイン / 心筋細胞 / 細胞内[Ca^<2+>] / Ca^<2+>電流 / 誘導型nitric oxide合成酵素 / 一酸化窒素(NO) / 転写紳士 / 陰性変力作用 |
研究概要 |
本研究の目的は、1)サイトカインによる心筋細胞機能抑制作用の分子機構を明らかにすること、2)心筋細胞における誘導型一酸化窒素(nitric oxide:NO)合成酵素(iNOS)発現の調節機構並びにiNOS発現の機能的意義を解明することであった。 1.単離心室筋細胞に対するサイトカインの作用:成Guinea pigより単離した心室筋細胞において、細胞内Ca^<2+>transient(蛍光色素indo-1)、細胞収縮(video motion detector)、Ca^<2+>電流(whole cell patch clump法)に対するinterleukin-6(IL-6:1000U/ml)及びtumor mecrosis factor-α(TNF-α:500U/ml)の作用を観察した。IL-6、TNF-αの両者は細胞内Ca^<2+>transientを抑制し、細胞収縮の振幅を低下させた。しかし、Ca^<2+>電流は変化させなかった。L-NMMA(10μM)の前投与はIL-6による上記の作用を抑制した(L-arginineの大量追加投与により作用再発現)が、TNF-αの心筋作用は抑制せず、IL-6の心筋作用はNO依存性であり、TNF-αの心筋作用はNO非依存性であると考えられた。 2.新生仔ラット培養心筋細胞におけるiNOSの発現調節機構:Lipopolysaccharide投与によるiNOS発現の分子機構をNorthern blot法、Wwstern blot法、Electrophoretic mobility shift(EMSA)法などを用いて解析した。その結果、iNOSの発現には複数の転写因子を介する情報伝達路が必要であり、特にNF-κB、IRF-1,CEBP/CREBなどの活性化が重要であることが示唆された。また、新生仔ラット心筋細胞においてはIL-6、TNF-αはそれぞれ単独ではiNOSの発現を誘導しなかったが、それは前者がNF-κB、後者がIRF-1の活性化をしないためであると思われた。 3.iNOS発現の機能的意義:iNOSを過剰に発現させた培養心筋細胞においては、L-NMMAの前投与下に大量のL-arginineを加えると細胞内Ca^<2+>transient、細胞収縮ともに減弱し、iNOS発現が陰性変力及び変時作用をもたらす可能性が示唆された。
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