研究課題/領域番号 |
07670765
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
廣江 道昭 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80101872)
|
研究分担者 |
伊藤 宏 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10232464)
ISHIYAMA Shigeru TOKYO MEDICAL & DENTAL UNIVERSITY,SECOND DEPARTMENT OF MEDICINE
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 心筋細胞死 / アポトーシス / 心筋炎 / 心筋梗塞症 / Fas / Fasリガンド / リンパ球 / 心筋障害 |
研究概要 |
【研究の背景・目的】従来より心疾患に見られる心筋細胞死はnecrosisの過程を経るものと考えられている。しかし近年、apoptosisが放射線、抗癌剤やウイルス感染により出現し、生理的な細胞死以外にも病的な細胞死にも深く関与していることが示唆されている。そこで我々は心疾患における心筋細胞死の機序にapoptosisがどのように関与しうるかを明らかにしようとした。 【結果】(1)ヒト急性ウイルス性心筋炎や実験的ラット自己免疫性心筋炎の心筋組織を検討した。心筋組織をagarose gel電気泳動法およびTUNEL法で検討した結果、心筋細胞や浸潤細胞のDNA断片化(laddering)がみられた。TUNEL陽性マクロファージが多数みられ、apoptosisで死亡した心筋細胞の存在が示唆された。抗Fas抗体による免疫組織化学法で同部の心筋細胞と浸潤リンパ球においてFas抗原の発現を認めた。さらに同部の浸潤リンパ球(CD4+,CD8+)においてFasリガンドの局在を抗Fasリガンド抗体による免疫組織化学法とIn situ hybridization法(Fas抗原cDNAよりcRNAを作製)により証明した。(2)ヒト急性心筋梗塞症やラット冠動脈結紮による急性心筋梗塞症と心筋虚血灌流障害を作成し、検討した結果、ヒト急性心筋梗塞症と同様な結果を得た。さらに抗Fas抗体を前投与すると心筋梗塞巣の範囲が縮小していた。 【考察・結語】急性ウイルス性心筋炎や心筋梗塞症における心筋障害/細胞死にはapoptosisが存在しており、その分子機構としてFas/Fasリガンド・システムの関与が示唆された。この研究によって心疾患の新しい治療法の開発が可能になった。
|