研究課題/領域番号 |
07670781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三上 洋 大阪大学, 医学部, 教授 (80173996)
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研究分担者 |
守口 篤 大阪大学, 医学部, 助手 (10273666)
楽木 宏実 (楽木 宏美) 大阪大学, 医学部, 助手 (20252679)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 / アミノ酸性神経伝達物質 / 高血圧 / 吻側延髄腹外側部(RVLM) / 遺伝子治療 / HVJ / オリゴデオキシヌクレオチド / グルタミン酸 / GABA / グリシン / グルタメート / 延髄腹外側部 / γ-アミノ酪酸 / 腹外側部延髄 |
研究概要 |
高血圧発症における延髄腹外側部での神経伝達物質としてのアミノ酸の役割を検討するため、高血圧自然発症ラット(SHR)を対象として吻側延髄腹外側部(RVLM)でのアミノ酸動態をAT1拮抗薬末梢投与下に脳微小透析法を用いて検討した。ウレタン麻酔下に経静脈的にAT1拮抗薬(CV-11974)を投与し、血圧およびRVLMからのアミノ酸放出量を経時的に測定した。CV-11974投与に対し、グリシンとGABAの放出量が増加したことから、抑制性アミノ酸が中枢でのAT1拮抗薬の降圧機作に関与している事が示唆された。 この変化が、RVLMにおいてかつAIIに特異的な現象である事を証明するため、SHRにおいて、AIIやAT1拮抗薬のRVLMへのmicroinjectionを行った。AIIに対する昇圧・頻拍反応は用量依存的で、アミノ酸では興奮性のグルタミン酸の放出が増加した。さらに、CV11974のRVLMへの直接投与により、抑制性アミノ酸の放出が有意に増加し、また、この変化はSHRにより顕著に認められた。これにより、SHRにおける高血圧の発症にこの部位のアンジオテンシン系の異常が原因として関与している可能性が示唆された。 一方、安全で効率の良い遺伝子導入法であるHVJ-リポソーム法を用い、蛍光色素でラベルしたアンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)の中枢への導入を試み、in vitroで培養神経細胞(小脳顆粒細胞)への導入、及びin vivoでラット側脳室内への投与により、大脳皮質、視床下部、延髄にわたる広範な領域の脳室周囲層の神経細胞核への導入に成功した。この方法は、中枢への血圧調節物質の関連遺伝子の導入によって様々な血圧モデルを作成することができ、中枢性血圧制御機構や高血圧をはじめとする循環器疾患の病態解明の武器となり得るものと考える。
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