研究課題/領域番号 |
07670791
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60157170)
|
研究分担者 |
松井 寛輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10284572)
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 心臓 / 遺伝子発現 / ネブリン / 心房 |
研究概要 |
心房と心室は異なる構造、機能を有するが、これには心房、あるいは心室にのみ発現する部位特異的蛋白質が存在すると考え、同蛋白質を抽出するために本研究を行った.Ratの心房および心室からRNAを抽出しmRNA differential display法を用いて心房あるいは心室にのみ発現する遺伝子の抽出を行った.25組のprimersを用いて行ったところ、新しい遺伝子が6個同定され、既知の遺伝子が1つ同定された.Dot blotを用いて行ったRNA発現の解析では、未知の遺伝子はいずれも発現量が極めて少なく、心室と心房においての発現量の差は認められなかった.一方、心房にのみ強く発現を認めた1つの既知遺伝子は、mouseのNebulin mRNAの核酸配列と極めて高いhomologyを示したため、ratのnebulin遺伝子と決定した.nebulinは骨格筋sarcomereのthin filamentの構成蛋白質であり心臓には存在しないとされている.我々はnebulinのRNAが心室には存在しないが心房には発現していることを発見した.発生上のnebulin発現の変化を観察するためにratの胎生期16日、胎生期20日、生後7日、生後4週、生後6ヶ月の心房においてnebulin RNAの発現を観察した.その結果nebulin RNAの胎児期発現量は少ないが、生後4週で増加していた.しかし、骨格筋に比べその発現量は少なかった。一方thin filamentとしてnebulinと直接結合するactinのRNA発現を観察したところ、その発現パターンはnebulin RNAより発生早期に発現のピークを示した.これは骨格筋でのこれまでの報告と異なりnebulinの機能が心臓と骨格筋では異なっている可能性が推測された.また、腹部大動脈狭窄による圧負荷肥大心を作成し左心房のnebulin RNAの発現を観察したところ、肥大心の左心房においてnebulin RNAの発現が増加しており、nebulinは心房の圧負荷に関与した何らかの機能を有していると考えられた.
|