研究課題/領域番号 |
07670793
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久木山 清隆 (久木山 清貴) 熊本大学, 医学部, 講師 (00225129)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 低比重リポ蛋白 / リゾレシチン / プロテインキナーゼC / Phospholipase A_2 / phospholipase A_2 |
研究概要 |
1.研究目的:リゾレシチンによって生じる血管内皮および血管壁細胞の種々の機能変化および遺伝子発現調節のメカニズムを解明するため、培養ヒト血管内皮細胞における転写因子-DNA結合作用へのリゾレシチンの効果を検討した。さらに、リゾレシチンの代謝を検討するためにヒトの血漿中の分泌型II型phospholipase A_2(II型PLA2)の濃度を測定した。2.方法:培養内皮細胞をリゾレシチンとインキュベーション後に核蛋白を抽出する。リゾレシチンによって前処理された細胞から抽出された核蛋白に含まれる転写因子とDNAの相互作用をゲルシフト法にて検討した。労作性狭心症、陳旧性狭心症の虚血性心疾患を有する患者の大腿静脈血、冠静脈洞血、動脈血を診断目的で行われた心血管カテーテル検査時に採血し、血漿または血清中のII型PLA2の濃度をラジオイムノアッセイ法にて測定した。3.結果:リゾレシチンにより培養血管内皮細胞において、NF-κBのDNA結合能が亢進していることが明らかとなった。この作用にはProtein Kinase Cが関与しておりリゾレシチンの濃度およびリゾレシチンとのインキュベーション時間に二相性に依存した。また冠動脈狭窄を有する狭心症患者においては、冠静脈洞血中のII型PLA2濃度が有意に増加していることが判明した。4.結論と総括:リゾレシチンの作用機序として、NF-κBとDNAプロモーター領域のシスエレメントとの相互作用により多様な遺伝子の転写調節が行われている可能性がある。狭心症患者における冠静脈洞血中のII型PLA2濃度の増加は冠動脈疾患の病態におけるリゾレシチンの役割の重要性を示唆するものである。これらの結果は動脈硬化の発生・病態を解明するうえで重要であると考えられる。
|