研究課題/領域番号 |
07670829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
松田 尚雄 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (30229489)
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研究分担者 |
宮武 邦夫 国立循環器病センター研究所, 内科心臓部門, 部長
上松 正明 (上松 正朗) 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (00270728)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 傷害血管 / 血管周囲神経-内皮機能連関 / アドレナリン作動性収縮 / 一酸化窒素 / 15-ヒドロペルオキシ酸 / 知覚神経ペプチド / エンドセリン / 内膜肥厚 / バルーン・カテーテル / 血小板活性化因子 / 炎症性サイトカイン / 15-リポキシゲナーゼ / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / substance P / アドレナリン作動性収縮反応 |
研究概要 |
傷害血管において作動が想定されるオ-タコイドに着目し、内皮機能及び血管周囲神経-内皮機能連関から見た生理・薬理活性を検討すると共に傷害血管モデルを作製し,本モデルにおけるアドレナリン作動性神経伝達について検討した。 まず、前者について動脈硬化と密接に関連する15-ヒドロペルオキシ酸について検討し、本物質が血管種並びに濃度の違いにより内皮依存性弛緩並びに収縮反応を惹起するという多彩な生理活性の側面を明らかにした。次いで、血管周囲自律神経末端に含まれ血管周囲神経-内皮機能連関の主要なメディエーターの一つである知覚神経ペプチドについて検討した。その結果、動静脈の違いにより、同ペプチドによる血管弛緩機序に内皮由来一酸化窒素を介するか否かの違いが存在することを明らかにした。更にエンドセリンについて検討し、モルモット肺動脈ではET_A受容体を介してアドレナリン作動性収縮を増強することを合わせて明らかにした。 上記の検討に加えて、バルーン・カテーテルで傷害したモルモット大腿動脈(FA)を用いて傷害筋型動脈におけるアドレナリン作動性収縮反応(AC)を検討した。一酸化窒素合成酵素阻害剤により健常・傷害FAにおけるACは共に増強したが、その程度は傷害8週後FAで有意に減弱していた。またノルアドレナリン収縮後のアセチルコリンによる弛緩反応も同FAで有意の減弱を観察した。また、形態学的検討では傷害FAで進行性の内膜肥厚が認められた。以上の成績より、傷害筋型動脈では形態学的な内膜肥厚を伴って、一酸化窒素によるアドレナリン作動性収縮抑制が減弱しており、これが血管傷害に伴うリモデリングの際の血管トーヌス亢進を招来しうることが推察された。更に、傷害血管における上記機能連関破綻の機序を、炎症性サイトカイン・脂質性メディエーターの面から検討中である。
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