研究概要 |
NO(一酸化窒素)の化学的特性、動態を解明するための高感度・高選択性NOセンサーの作成・利用が本年の研究テーマであった。 本年の研究実績を以下にまとめる。 (1)ニッケル・ポルフィリンをその表面に化学修飾させた,prototype-NO電極を作成した (2)NOタンク中の“NO"をさらに精製した(bulb-to-bulb蒸留法) (3)超純粋の蒸留水を製造した(脱イオン水を過マンガン・カリの硫酸溶液中で長時間蒸留) (4)脱酸素のための窒素バブル用の窒素を精製した(活性炭、シリカゲル,高温に熱した銅を利用) (5)精製NO・窒素ラインおよび超純水ラインを確立した(NOおよび窒素のガスラインはすべてステンレス製の閉鎖系とし、そのラインは真空ポンプと連結させた。液体の通路はガラス製とし、やはり閉鎖系とした) (6)完全閉鎖系・脱酸素状態のもと,電気化学用セル中でNOの飽和水溶液を作成し,その酸化電流をNOセンサーでdetectできた 今後,以下のことを明らかにする予定である。 A.NOの純水中での飽和溶解度を決定する B.ニッケル・ポルフィリン製のNO電極で、様々なNO放出薬剤あるいはNO消去薬剤の作用機序を明らかにする C.蒸留水をクレブス液に代えた系,さらにそこに細胞,組織を置いた生体モデルにおけるNOの動態,また,その合成調節機構,NOと他の生理活性物質とのクロストークを解明する
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