研究概要 |
(1)小児がん・白血病における病型に特異的な融合遺伝子の検出 【研究1】3歳9カ月の女児.急性骨髄性白血病.染色体異常46,XX,der(3)t(3;10)(q21;q22),der(10)(q21;q22)inv(3)(q21q26)を持つ白血病細胞からEVI1遺伝子の発現を検出した. 【研究2】14歳2カ月の女児.急性骨髄性白血病.染色体異常46,XX,t(16;21)(q11;q22)を持つ白血病細胞から,FUS(TLS)/ERG融合遺伝子を検出し,遺伝子切断点の塩基配列を明らかにした. 【研究3】19歳2カ月の男性.急性骨髄性白血病.染色体異常45,XX,-7,t(3q-;21q+)を持つ白血病細胞から,AML1/MDS/EVI1融合遺伝子を検出し,切断点の塩基配列を明らかにした. 【研究4】4歳6カ月の男児.急性リンパ性白血病.染色体異常46,XY,t(17q-;19p+)を持つ白血病細胞から,E2A/HLF融合遺伝子を検出し,切断点の塩基配列を明らかにした. 【研究5】3歳9カ月の女児.類上皮肉腫.染色体異常48,XX,t(2;7)(p23;q32-34),del(6)q2?5),+7,+8を持つ白血病細胞から染色体切断点の2p23に存在するALK遺伝子の発現を確認した. (2)小児白血病における微小残存白血病の検出による治療効果の判定と予後の推測 【研究6】小児では稀な染色体異常t(15;17)(q22;q11-21)を特徴とする急性前骨髄性白血病(APL,M3/FAB)の4症例についてPML/RARα融合遺伝子の発現を経時的に検索し,予後との関連を検討した. 【研究7】急性リンパ性白血病33例中6例に染色体転座t(12;21)(q13;q22)の結果生じるTEL/AML1融合遺伝子の存在を確認し,予後との関連を検討した.
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