研究課題/領域番号 |
07670895
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 孝雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80171495)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 大脳皮質発生 / 細胞周期 / 組織培養 / 成長因子 |
研究概要 |
1、マウス胎仔の大脳皮質の発生におけるQ fraction^*の推移を胎生11日から17日まで測定し、神経細胞産出の定量的モデルの基礎を確立した。(^*娘細胞のうち、細胞分裂を終え、分化を開始するものの割合。)マウス大脳皮質の発生過程では、計11個の細胞周期がいとなまれることが分かっているが、本研究では測定されたQ fractionの変移から、以下の3点が明らかになった。(1)8晩目の細胞周期までが、Q<0.5のlow output stageである。(2)Q fractionが0.5を越えると、過半数の娘細胞が細胞周期から離脱、神経細胞として分化を開始する(high output stage)が、11個の細胞周期のうち、最後の4サイクルがこのhigh output stageである。(3)ひとつの幹細胞から平均250個の神経細胞が産生される。この定量的モデルは、種々の環境因子(成長因子、神経伝達物質等)が大脳皮質発生において果たす役割を定量的に検討するための基礎的データとなる。 2、胎生13日のマウスの大脳壁をパンチアウト、コラーゲン中で培養、培養液中にBUdRを加えた。大脳組織の構築は良好に保存されていた。核内に取り込まれたBUdRを免疫組織学的に染色、培養組織における細胞分裂動態を検討した。その結果、(1)S期はin vivoと同様に進行すること、(2)M期への移行は数時間の遅れをもって再開されること、(3)細胞周期が再開された後は、interkinetic nuclear movementが維持されていること、の3点が示された。以上の結果にもとづき、BUdRによるcumulative labelingを培養5時間後から開始、測定されたG1期の長さは6.5時間、Growth Fractionは0.7であった。以上、組織培養を用いて、細胞周期及びGrowth Fractionの測定が可能であることが示された。
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