研究課題/領域番号 |
07670905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 小児科, 講師 (60160595)
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研究分担者 |
洲鎌 盛一 東京慈恵会医科大学, 小児科, 助手 (10154452)
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 小児科, 助手 (50056909)
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 小児科, 講師 (90167255)
津田 隆 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科学, 助手 (50188554)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Sly病 / β-glucuronidase / レトロウイルス / アデノウイルス / 骨髄細胞 / 骨髄幹細胞(CD34+細胞) / NOD-SCIDマウス / LTCIC(Long Term Culture Iniciating Cell) / ムコ多糖症VII型 / ヒト骨髄細胞 / β-glucuronidase遺伝子 / CD34+細胞 / サザンブロット法 / 骨髄前駆細胞 / モデルマウス / ムコ多糖症 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
Sly病はムコ多糖症の1つでありβ-glucuronidaseの遺伝的欠損により種々の臨床症状を呈する疾患である。我々は本症の遺伝子治療法の開発をめざして2つのアプローチを検討した。1つは、レトロウイルスを用いての骨髄細胞を標的としたex vivoものであり、もう1つはアデノウイルスを全身投与するin vivoものである。まず正常β-glucuronidaseを発現する組換えレトロウイルスおよびアデノウイルスを作製した。両組換えウイルスともSly病疾患の培養皮膚線維芽細胞の酵素欠損を矯正した。また作製した組換えレトロウイルスを正常臍帯血より精製した骨髄幹細胞(CD34+細胞)に感染させ、その細胞よりメチルセルロース培地上に出来きる骨髄前駆細胞のコロニーの大半(約67%)にβ-glucuronidase遺伝子を導入する事に成功した。また、より骨髄幹細胞に近い細胞集団といわれているLTCIC(Long Term Culture Iniclating Cell)への遺伝子導入効率も検討したが平均35%であった。 組換えアデノウイルスをSly病モデルマウスに直接静注したところ、肝臓及び脾臓での酵素活性の矯正ならびに病理学的及び生化学的にムコ多糖の蓄積の消失が認められた。しかしながら、脳での病理学的改善は認められず、これは組換えアデノウイルスを脳室内投与しても同様であった。以上より組換えアデノウイルスは静注することにより少なくとも肝臓脾臓の病理学的改善は得られることが判明した。脳に関しては病初期の骨髄移植で臨床症状の改善が得られる事より、骨髄細胞を標的とした遺伝子治療、すなわちCD34+に正常β-glucuronidase遺伝子を導入することにより治療可能と思われ現在NOD-SCIDマウスを用いての異種間移植の系にて検討中である。 平成8年度に共同研究者らによる異染性脳白質変性症のモデルハウスの作成が完成したので現在、遺伝子治療の検討を開始したところである。
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