研究課題/領域番号 |
07670920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
吉岡 加寿夫 (吉岡 和寿夫) 近畿大学, 医学部, 教授 (60111035)
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研究分担者 |
八木 和郎 近畿大学, 医学部, 助手 (10239725)
竹村 司 近畿大学, 医学部, 講師 (40227054)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Alport症候群 / 遺伝性腎炎 / IV型コラーゲンα5鎖 / IV型コラーゲンα6鎖 / 糸球体基底膜 / 表皮基底膜 / 糸状体基底膜 / アルポート症候群 |
研究概要 |
X連鎖型Alport症候群(遺伝性腎炎)の病因はIV型コラーゲンのα5鎖[α5(IV)]の遺伝子異常であることが明らかになっているが、現在、本症に対する遺伝子診断の確率は高くない.したがって、抗体を用いた蛋白レベルでの診断が臨床上有用である.これまでの研究で我々は合成ペプチドをラットに免疫してα5(IV)に対する特異的単クローン抗体を作成し、正常では糸球体基底膜に分布しているα5(IV)がX連鎖型Alport症候群の男性患者の腎組織では欠如していることを明らかにした.加えて,本症の腎組織ではα3(IV),α4(IV)の蛋白レベルでの異常があり、さらに最近、α6(IV)蛋白の異常が存在することも知られている。一方、本症の家系の女性保因者ではα5(IV)は腎組織でモザイク状分布をしめす. この研究では、α5(IV)とα6(IV)に対する単クローン抗体を用いて正常皮膚組織10検体と本症男性患者(3家系3人)の腎と皮膚組織を免疫組織学的に検討した.その結果、正常ではα5(IV)とα6(IV)は皮膚の表皮基底膜に存在するが、患者ではα5(IV)とα6(IV)は全く陰性であった.患者の腎組織においてもこれらは陰性であった.また、本症家系内の女性保因者(2家系3人)では表皮基底膜でのモザイクパターンが認められた.このことから、X連鎖型Alport症候群では腎と皮膚に共通してα5(IV)とα6(IV)の蛋白レベルでの異常があることが明らかになった. X連鎖型Alport症候群の患者のみならず保因者の診断において、皮膚組織でのα5(IV)染色は腎生検診断と同様に有用であり、かつ、より簡昜であると考えられる。特に、尿所見が軽微なために腎生検が躊躇される女性患者(保因者)の検出に有用である.
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