研究課題/領域番号 |
07670937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
斎田 俊明 信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
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研究分担者 |
土肥 庄二郎 信州大学, 医学部, 助手 (10252090)
徳田 安孝 信州大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 発癌実験 / ヒト皮膚 / in vivo実験系 / SCIDマウス / 異種移植 / 前癌病変 / in vivo 実験系 |
研究概要 |
発癌実験は現在、マウス皮膚への発癌剤塗布などのin vivo実験や培養細胞を用いるin vitro実験によって行われ、遺伝子レベルでの解析も進められている。しかし、ヒトにおける発癌過程の解明にはヒトの臓器そのものを用いるin vivo実験が望まれる。しかし、それは倫理的に許されることではない。そこでわれわれは、ヒト皮膚を各種SCIDマウスへ異種移植し、これを用いて発癌実験を行うことを考えた。ヒト皮膚移植のレシピエントとして用いたマウスはSCIDマウス、nude-scidマウス(SCIDマウスとヌードマウスの交配により作出)、beige-scidマウス(SCIDマウスとベ-ジュマウスの交配により作出)の3種類である。今回の研究により以下のことが明らかにされた。 1.上記3種のマウスへヒト正常皮膚を全層植皮ないし分層植皮したところ、植皮片の生着率、生着後の植皮片面積の維持率などの点でnude-scidマウスが最も優れていることが明らかにされた。 2.ヒト皮膚前癌病変の移植でも生着率、面積維持率、植皮片内における異型細胞の生存率などの点でやはりnude-scidマウスが最も優れていた。 3.数カ月間の観察では、各種マウスへ移植した前癌病変皮膚が浸潤癌へ進展する現象はほとんど認められなかった。しかし、beige-scidマウスへ移植したBowen病(SCC in situ)の1検体で223日後の組織検査にて深部にまで浸潤する有棘細胞癌(SCC)への進展が確認された。 4.nude-scidマウスなどへ移植したヒト正常皮膚、前癌病変皮膚に発癌剤のDMBA塗布と中波長紫外線照射を10-20週間行ったが、肉眼的に癌の発生、進展は認められなかった。しかし、数検体において病理組織学的に異型細胞が表皮内に増殖する所見が認められ、注目された。
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