研究課題/領域番号 |
07671017
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山下 康行 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (60220349)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | マイクロウェーブ / 超音波 / 肝腫瘍 / 経皮的治療 / 動物実験 / ラビット |
研究概要 |
現在、手術不可能な肝腫瘍の治療として、肝動脈塞栓術、PEITが広く行われている。しかし、転移性肝腫瘍や硬化型肝癌のように線維成分に富む腫瘍は、これらの治療法では治療剤が十分腫瘍に広がらず、コントロールできないことが多い。そこで転移性肝癌の治療成績の向上をはかるため、術中肝切除などに使用されているマイクロウェーブ発生装置を経皮的に応用し、転移性肝腫瘍をはじめとする治療困難な肝腫瘍の治療を行うことを考えた。 そこで基礎研究としてニュージーランドホワイトラビットを用い、超音波ガイド下で肝臓に電極を刺入しマイクロウェーブによる凝固を行った。電極周囲の温度に関しては電極から3mmの部位では90℃前後、電極から10mmの部位まで50℃以上となり、温熱療法に必要とされる42.5℃より高い温度を呈した。凝固時間と凝固範囲の関係の検討では、範囲は60秒で一定となり、凝固範囲は2cm前後となった。なお、超音波上確認される高エコー領域派、実際の凝固範囲より大きくなることが判明し、実際の凝固範囲は高エコー領域の70%前後だあった。組織学的変化では、凝固直後には、HE染色上は変化は見られず、3日後に辺縁部から変性が始まり、1ヶ月後では、変色範囲は完全に凝固壊死となっていた。 以上のことより、経皮的マイクロウェーブ凝固療法は温熱療法としての有効性が確認され、繊維性肝腫瘍に対する硬化も示唆された。さらに、実際に臨床の場でも応用されるようになり、現在良好な治療成績をあげている。
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