研究課題/領域番号 |
07671053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20213663)
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研究分担者 |
太田 克也 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251514)
松島 英介 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50242186)
須原 哲也 放射線医学総合研究所障害臨床研究部, 主任研究官
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013972)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | PET / 精神分裂病 / ドーパミン |
研究概要 |
平成8年度は、さらに症例を増やして以下の研究を行った。 非服薬分裂病患者群、健常対照群のドーパミンD1、D2受容体の測定と比較を行った。対象とした分裂病群は検査の目的と内容を説明した上で文書による同意の得られた17名の非服薬分裂病患者(うち10名が未服薬)で、トレーサとしては、^<11>C-SCH23390と^<11>C-N-メチルスペピペロンを用いた。^<11>C-SCH23990の結合は線条体、大脳皮質の両者においてドーパミンD1受容体への結合を、^<11>C-N-メチルスピペロンは線条体ではドーパミンD2受容体への結合を反映する。18名の対照群との比較では、線条体においてはドーパミンD1もD2も結合能に変化がないという結果であった。しかし、前頭前野においては、分裂病群では対照群に比べてドーパミンD1結合能が有意に低かった。さらに、前頭前野D1受容体低下は、陰性症状およびWisconsin Card Sort Testの成績不良と関連していた。 分裂病のhypofrontality、そして陰性症状発現の基礎に前頭前野のドーパミン機能の低下を強調する考え方がある。すなわち、中脳皮質系ドーパミン活性低下と中脳辺縁系のドーパミン活性の亢進が併存し、分裂病の陰性症状と陽性症状がそれぞれおこるという仮説が提唱されている。皮質のドーパミン受容体は大部分がD1受容体であること、サルにおいて前頭前野D1受容体がWorking Memoryに重要な役割を果たしていること、さらにわれわれのPET研究の結果から考えると、前頭前野D1受容体の低下が、分裂病の陰性症状や認知障害の発現に重要な役割を果たしている可能性が考えられた。
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