研究課題/領域番号 |
07671072
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
溝渕 睦彦 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (00166042)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 蛋白メチル化酵素 / PCR / cDNA クローニング / 赤芽球細胞 / レンズ / 白内障 |
研究概要 |
蛋白質中の酸性アミノ酸残基に生じるメチル化反応は、メチル基転移酵素(Protein Carboxyl Methyltransferase; PCM)による可逆反応である。本酵素PCMは広く哺乳類に存在し、脳、睾丸と赤血球に活性が高く、ノーザンブロット分析でも本酵素の遺伝子は、脳と睾丸に多量に発現している。この酵素は、一部ラセミ化や脱アミド化を起こした老朽化蛋白を正常にもどし、その蛋白の蓄積を防ぎ、本来の機能蛋白に修復させる作用を持つ可能性が考えられている。 今回の研究では、われわれがラットの脳と睾丸で決定したPCMcDNA配列をもとに、本研究者が独自に開発確立したcDNA分析法(nested RACE法)を用いて、ヒト赤芽球培養細胞から3種類の異なったPCMcDNAを単離同定し、2種類のアイソザイムが存在することも明らかになった。さらに、ヒトで決定したcDNAをもとに、ブローブをPCR(polymerase chain reaction)を利用して作成し、ヒトの老化現象の一種と考えられる白内障患者のレンズでの本酵素の発現を測定した。白内障患者では健常者に比較してPCM遺伝子の発現が顕著に低下(30-50%)していることも明らかにした。 レンズの老化とも考えられる白内障でPCM遺伝子の発現が低下していることは、本酵素PCMは、細胞の老化および修復機序に強く関連している可能性が示唆された。
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