研究課題/領域番号 |
07671086
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
鹿島 晴雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70101954)
|
研究分担者 |
吉野 文浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00220707)
大江 康雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30185201)
吉益 晴夫 慶應義塾大学, 医学部・精神神経科学教室, 助手 (60240347)
斉藤 寿昭 慶應義塾大学, 医学部・精神神経科学教室, 助手 (60186947)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
|
キーワード | アルコール症 / 記憶障害 / 問題解決能力 / アルコール痴呆 / コルサコフ症候群 / 前頭葉機能障害 / 神経心理学的検査 / Alcoholism / frontal function / memory disorder |
研究概要 |
平成7年度は慶應義塾大学医学部精神神経科、国立久里浜病院に入院中のアルコール症者20例を対象として前頭葉機能検査を含む神経心理学的検査を予備的に施行し、局在性脳損傷を対象とするこれら検査の妥当性、有用性を確認した。平成8年度は、上記病院および駒木野病院に受診中で臨床的に明らかな脳損傷の認められないアルコール症95例を対象として、前頭葉機能検査を含む神経心理学的検査を施行した。健常群40例との比較、検討の結果、アルコール症において、言語性および非言語の記憶障害、特に干渉後の再生障害、と問題解決能力の障害が認められた。またそれらの障害と飲酒歴の関係を検討するために、アルコール症群を短期習慣飲酒群と長期習慣飲酒群、短期乱用群と長期乱用群の4群に分けその神経心理学的障害を比較した結果、長期飲酒群および長期乱用群において有意な記憶課題の成績低下が認められた。このことからアルコールの大量の長期摂取は、記憶障害を中心とする認知機能低下を生じることが示唆された。また8年度は、アルコール症による重度の認知障害であるアルコール痴呆の神経心理学的特徴(類型)も検討した。断酒後3ケ月以上経過し、MMSが23点以下ないし臨床的に“ぼけ"と認められたアルコール症39例を対象とし、知的機能、記憶、前頭葉機能、構成機能に関する種々の神経心理学的検査を施行した。検査結果のパターンから定型コルサコフ症候群型、重症コルサコフ症候群型、前頭葉機能障害型、全般性脳機能障害型、4型を区別しえた。重症コルサコフ症候群型、全般性脳機能障害型がいわゆる狭義のアルコール痴呆に相当するものと考えられた。アルコール痴呆に関しては議論のあるところではあるが、少なくとも臨床的には痴呆といいうる状態は存在する。またそれらは前頭葉機能障害ないし軸性健忘型の記憶障害を示し、アルコール痴呆を含めアルコール症の慢性期の認知障害はより皮質下性痴呆に関連が深いと考えられた。
|