研究課題/領域番号 |
07671105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小田原 雅人 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00224254)
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研究分担者 |
玉岡 晃 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50192183)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 糖尿病 / 遺伝子 / ミトコンドリア / 難聴 / インスリン / PCR / RFLP |
研究概要 |
ミトコンドリアは細胞内小器官であり、エネルギー産生に重要な役割を演じている。ミトコンドリア遺伝子の異常はミトコンドリア脳筋症においてまず発見された。ミトコンドリア脳筋症には高率に糖尿病を合併することが知られているが、最近ミトコンドリア遺伝子異常がミトコンドリア脳筋症を有しない糖尿病家系において認められることが分かって来た。我々はミトコンドリア脳筋症のサブタイプであるMELASの約80%に存在する3243部位のA-G点変異が日本人糖尿病患者でどの位の頻度で存在するか検討した。筑波大学及びその関連施設に通うインスリン非依存型糖尿病患者(NIDDM)(境界型IGTを含む)300名を無作為に選び末梢血よりDNAを抽出した。3243部位を含むDNA断片をPolymerase Chain Reaction(PCR)にて増幅し制限酵素Apalを用いて、増幅されたDNA断片を消化しアガロースゲルにて分離した。その結果300名中3名に同点変異が認められその頻度は1%であった。インスリン依存型糖尿病患者及び非糖尿病患者では同点変異は認められなかった。同点変異を有する3名の内NIDDMは2名、IGTは1名であった。NIDDM患者の1名は若年発症NIDDMでインスリン分泌が年齢の割に悪かったが、インスリン治療は必要でなかった。もう1名のNIDDM症例は中年発症の一見ありふれたタイプの糖尿病患者であり、当初食事だけでコントロールされていたが、年とともに経口血糖降下薬の投与が必要になり、インスリン分泌も徐々に障害されて行った。またミトコンドリア遺伝子異常を有する症例に特徴的な難聴も必ずしも明らかでないことも多く、聴力検査ではじめて軽度の難聴が確認されることもあった。また3243部位A-G点変異を有する症例の他のtRNA領域の遺伝子配列を決定したが、他に病因となるような異常は認められなかった。以上の検索よりミトコンドリア遺伝子の3243部位の異常はこれまで同定された糖尿病発症に関与する遺伝子中最も頻度の高い遺伝子異常であることが判明した。
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