研究課題/領域番号 |
07671114
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸辺 一之 東京大学, 医学部(病), 助手 (30251242)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン抵抗性 / グリコーゲン合成酵素 / IRS-1欠損マウス / PI3キナーゼ / インスリン作用 / インスリン受容体 |
研究概要 |
糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌機能の低下をきたす遺伝的素因を有する個体に、肥満などの環境因子が加わり発症するものと考えられている。グリコーゲン合成酵素は、インスリン非依存性II型の糖尿病でのインスリン抵抗性に関与していると考えられている酵素である。インスリンによるインスリン受容体チロシンキナーゼが活性化、インスリン受容体基質1(IRS-1)やshc蛋白質などの基質がチロシンリン酸化を受けたあと、PI3キナーゼとAsh/Grb2-ras→MAPキナーゼカスケードの2つのパスウエイが活性化する。グリコーゲン合成酵素の活性化にこの2つのパスウエイがどのように関与しているかをPC12細胞で検討したところ、GSは、優性抑制変異ras(RasN17)を発現し内因性のrasを抑制しても、インスリンによるGSの活性化には影響なく、PI3キナーゼの阻害剤であるウオルトマンニンで処理したときに、GSの活性化は阻害された。また、ラバマイシン処理をして70kDaS6キナーゼを抑制してもGSの活性化は変わらなかった。したがって、我々は、PI3キナーゼの下流にグリコーゲン合成酵素の活性化のパスウエイがあると結論した。 IRS-1欠損マウスは、空腹時、糖負荷後の血糖値は変化せずインスリン値のみ約2倍となる。肝臓と骨格筋でMAPキナーゼとPI3キナーゼを測定してみると肝臓では対照マウスとほぼ同程度であったが、骨格筋では、MAPキナーゼもPI3キナーゼも約20%に低下していた。実際、骨格筋での糖の取り込みも約20%に低下しておりIRS-1欠損マウスにおけるインスリン抵抗性の責任臓器は骨格筋であると考えられる。
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