研究課題/領域番号 |
07671124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00211871)
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研究分担者 |
長屋 敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80262913)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | TTF-1 / Pax-8 / TSH / 転写調節因子 / 甲状腺 / サイログロブリン / 酸化・還元 / 遺伝子発現 / 甲状腺刺激ホルモン / インスリン / プロモーター |
研究概要 |
甲状腺組織特異的転写調節因子TTF-1、Pax-8はサイログロブリン(TG)遺伝子の組織特異的発現に関与する。本研究では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)によるTG遺伝子転写促進にTTF-1、Pax-8がどのように関わっているのかを検討した。 1.ラットTG遺伝子プロモーター+ルシフェラーゼ遺伝子プラスミドを導入した甲状腺細胞株FRTL-5にTSHを添加するとルシフェラーゼ活性が上昇し、内因性TG mRNAも増加した。したがって、単離したプロモーターはTG遺伝子にTSH応答性を賦与する領域であることが示された。 2.プロモーターへのTTF-1、Pax-8の結合活性を検討したところ、TSHにより両者の結合活性は増加した。一方、これらのmRNAは増加しなかった。このことから、TSHは翻訳後の蛋白の修飾を介してTTF-1、Pax-8のDNA結合活性を増加することが示唆された。 3.そこで、TTF-1、Pax-8のDNA結合能が酸化・還元制御を受けるか検討した。システイン残基の遊離のSH基を可逆的に酸化するdiamideで処理すると転写因子の結合能は低下した。Diamide処理後、還元剤DTTを添加すると結合能は回復した。この結果からTTF-1、Pax-8の結合能は酸化・還元制御を受けることが明らかになった。 4. TSHによるPax-8の結合活性の増加における酸化・還元制御の関与をFRTL-5を用いて検討した。TSH刺激後、還元剤非存在下で調製した細胞抽出液を用いて検討した結果、TSHは酸化型Pax-8を還元し、Pax-8の結合活性を増加することが示唆された。 以上の結果から、TSHによるTG遺伝子の転写促進に、酸化・還元制御を介した甲状腺組織特異的転写調節因子のDNA結合活性の増加が重要であることが示された。
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