研究課題/領域番号 |
07671128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 均 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80212893)
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研究分担者 |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 糖尿病 / 膵β細胞 / ATP感受性K^+チャネル / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / インスリン分泌 / ブドウ糖 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / パッチクランプ法 / 細胞内カルシウム濃度 |
研究概要 |
糖尿病の大多数を占めるインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)では、病態生理上の重要な知見の一つとして、ブドウ糖尿刺激に対する選択的なインスリン分泌能の低下の存在が知られている。一方、ブドウ糖以外の分泌刺激に対しては、分泌はむしろ亢進している。そこで細胞内Ca^<2+>濃度の動態に重要な役割を果している電位依存性Ca^<2+>チャネル(VDCC)活性についてpatch clamp法により直接的な検討を加えた。遺伝性NIDDMモデルのGKラットより膵ラ氏島を単離し分散して得た単一β細胞を用い、whole cell recordingによりL型ならびにT型VDCC電流を記録した。さらにATP感受性K^+チャネルの閉鎖による細胞膜の脱分極を介さずに、膵β細胞内糖代謝機構により直接VDCC活性が修飾される機構を検討する目的で、ナイスタチンを用いたperforated patchによる検討を行った。GKラットでは脱分極刺激に対して、whole cell recordingで明かなL型VDCC電流の増大を認めた。また同様の現象は、T型VDCCにおいても認められた。細胞内糖代謝機構が保持されたperforated patchでは、対照で高濃度ブドウ糖によりVDCC活性はさらに増大を示した。しかしながらGKラットではこの様な活性の増大は認められなかった。一方T型VDCCはL型とは異なり細胞内糖代謝機構による直接的な活性の調整は受けていなかった。したがってNIDDM状態下では、K_<ATP>チャネルの閉鎖を介さない細胞内糖代謝機構によるL型VDCCの活性化の増大にも障害が存在し、ブドウ糖刺激によるVDCC活性化の低下に拍車をかけている事実が明かとなった。しかしながら一方では、ブドウ糖以外の脱分極刺激に対してはむしろVDCC活性は増大を示すことより、NIDDMでのインスリン分泌不全でのブドウ糖に対する選択性の発症機序に、これらの事実が密接に関与しているものと考えられた。
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