研究課題/領域番号 |
07671133
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
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研究分担者 |
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00127721)
難波 光義 大阪大学, 医学部, 助手 (00183533)
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | I型糖尿病 / インスリン依存型糖尿病 / NODマウス / レトロウイルス / 遺伝子クローニング / トランスアクチベーション / レトロポゾン / 発症機構 |
研究概要 |
研究代表者らはヒトI型糖尿病患者における膵B細胞に対する自己免疫現象を分析し、その病因解明をすすめている。ヒトでウイルス感染を契機としたI型糖尿病の急性発症が知られるが、研究代表者らは本疾患の最良のモデル動物であるNODマウスの膵B細胞内にもレトロウイルスgag蛋白が発現することを証明していた。さらに、NODマウス膵よりレトロウイルスのcDNAの単離に成功していたのを契機に、本研究でレトロウイルス遺伝子そのものの全構造のクローニングに成功した。NODマウスは、糖尿病発症に先だって膵島炎を有する点で、ヒトのモデル動物と認識される特徴を有する。クローニングしたウイルスのRNAは膵島炎開始週令である4-6週令の膵に最も多く発現することが明らかになった。また、このウイルスは特異な遺伝子構造を有し、通常レトロウイルスに典型的に認めるenv,pol遺伝子を部分的に欠損しているほか、同領域にレトロポゾンのモチーフが複数挿入されていた。エイズウイルスで知られるように、レトロウイルスは頻繁にその遺伝子構造を変化させて病原性を発揮するとされる。本研究で明らかとなったウイルスの構造は、繰り返す組み換え現象とレトロポゾンの挿入という複雑な進化過程を経て、独自の機能を獲得したことを示している。モロニ-白血病ウイルスで知られるように、レトロウイルスのLTRには、宿主細胞の組織適合抗原遺伝子の一部をトランスアクチベーションすることが知られる。本ウイルス遺伝子が膵島炎と一致して膵島内で過剰発現し、同じメカニズムで組織適合抗原遺伝子を活性化することによって、自己免疫現象を増強、I型糖尿病の病因の一角をなすとの結論が導き出された。
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