研究課題/領域番号 |
07671155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
寺本 民生 帝京大学, 医学部, 助教授 (20133077)
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研究分担者 |
木下 誠 帝京大学, 医学部, 講師 (70186295)
松木 則夫 東京大学, 薬学部, 助教授 (70126168)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脂肪肝 / VLDL / アポ蛋白B / ACAT / MTP / スンクス |
研究概要 |
肝臓で合成されたトリグリセリド(TG)は他の脂質とともにアポ蛋白Bと結合しGolgi装置において超低比重リポ蛋白(VLDL)に組み込まれ分泌される。通常、アポBの合成量は過剰でありVLDL分泌に使用される以外のアポBは細胞内分解を受けているという。従って、脂質の合成過剰はVLDLの分泌過剰を引き起こし高TG血症の原因となりうる。一方、脂質のアポBのアセンブリーの異常は脂質輸送の障害を引き起こし肝内脂質蓄積(脂肪肝)を引き起こす。この肝における脂質とアポBのアセンブリーの機構については十分なコンセンサスが得られていない。我々は空腹という簡単な操作で脂肪肝が形成されるスンクスという実験動物を通して肝におけるVLDLアセンブリー機構について検討してきた。最もアセンブリーに関与しているとされる脂質はTGであるが近年コレステロールエステル(CE)もそれ自身がアセンブリーのキ-ポイントであるとする報告が相次いでいる。本研究において肝におけるCE形成酸素であるAcyl CoA Acyltransferase(ACAT)活性を検討したところ、極めて低値を示した。一方、小腸におけるACAT活性はほぼラットと同様であったことより、肝臓に特異的と考えられた。一方、最近、無βリポ蛋白血症の研究からVLDLのアセンブリーにmicrosomal triglyeeride transferprotein(MTP)が関与しているとする報告がある。そこで、スンクスにおいても本蛋白の活性を検討したところ、ラットに比較して約30%と著明な低活性を示した。空腹にしても活性の変動は認められなかったが、再摂食により著明な活性亢進を認め、同時に脂肪肝の改善も認められている。従って、MTP活性が肝内脂質輸送に重要な役割を演じていることは間違いのない事実であると考えられる。さらに、VLDLのアセンブリーに関与するものとしてアポ蛋白Bの合成と細胞内異化機構が重要である。そこで、スンクスの初代培養肝細胞を用いて、アポ蛋白Bの合成と細胞内異化について検討した。結果は細胞内異化の亢進は認められなかったが、アポ蛋白B合成の著明な低下が認められた。 今後、これらのACAT活性の低下、MTP活性の低下、アポ蛋白Bの合成低下などを統合する原因について検討を進める必要があると考える。
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