研究課題/領域番号 |
07671200
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀 利行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70243102)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | T細胞腫瘍 / SCIDマウス / OX40 / gp34 |
研究概要 |
T細胞腫瘍の生体内での生着と増殖のメカニズムを明らかにすることを目的として、in vivoの環境でのみ発現が増強する細胞膜蛋白の同定と機能解析を行った。 HTLV-I感染ヒトT細胞株をSCIDマウスに移植継代して得られた亜株に発現して、in vitroでの長期培養後の同一株の亜株には発現しないか、発現が低下している抗原を認識するモノクローナル抗体を作製し、抗原分子の遺伝子クローニングを行うとともに、in vivoでの生着と増殖への関与について検討した。すでにわれわれは、SCIDマウスへの移植継代を繰り返したヒトT細胞腫瘍の亜株は、in vitroで長期培養した亜株に比較してヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に対して強い接着性を持つようになることを見いだしていたので、HUVECと免疫に用いたT細胞株との接着に対するこれらの抗体の影響を検討した結果、50kDの細胞膜糖蛋白を認識する抗体がこの接着を阻害することが示された。COS-7細胞での一過性発現系による抗原分子のcDNAクローニングの結果、これがヒトOX40と同一であることが判明した。OX40はTNFレセプター・ファミリーに属し、最近、そのリガンドがHTLV-I感染細胞株に好発現するgp34であることが明らかにされている。そこで抗gp34抗体(北里大、田中勇悦博士より供与)の影響についても検討したところ、同様にHUVECとの接着を阻害するという結果が得られた。 その他に、現在までにin vivoとin vitroで発現に差が見られる2つの細胞膜蛋白の遺伝子の単離に成功し、そのうち1つはintegrin β7であった。これはintegrin α4またはαEとヘテロダイマーを形成し、消化管リンパ組織へのホ-ミング受容体として機能するといわれているので、T細胞腫瘍の消化管への浸潤との関連が注目される。もう一つの細胞膜蛋白は既知のものとのホモロジーがなく、現在その機能に関して解析を進めているところである。
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