研究課題/領域番号 |
07671201
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部, 助手 (80252667)
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研究分担者 |
柏木 浩和 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
倉田 義之 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (80127224)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | αIIbβ3 / インテグリン / 血小板 / Na^+ / Ca^<2+>exchanger / H^+exchanger |
研究概要 |
本研究では、いまだ不明であるαIIbβ3の活性化機構をキモトリプシン(以下キモと略す)処理血小板を用いた実験系を用いて明らかにすることを目的とした。キモは従来、シグナル伝達を介さずαIIbβ3を活性化させると考えられていた。事実、キモによるαIIbβ3活性化は放出反応や細胞内Ca^<2+>イオン濃度の上昇を伴わず、PGE_1やsodium nitroprussideなど種々の阻害剤でも抑制されなかった。しかし、われわれはキモによるαIIbβ3活性化がNa^+/H^+exchangerの阻害作用を有するamilorideで抑制されることを見いだした。さらに、amilorideがαIIbβ3とフィブリノーゲンの結合を抑制するのではなく、細胞内シグナル伝達を抑制することをAP5などの活性化モノクローナル抗体を用いて明らかにした。しかしながら、キモによるαIIbβ3活性化は細胞外Na^+濃度を減少させるに従い増加したため、αIIbβ3の活性化にはNa^+/H^+exchangerなどを介したNa^+の細胞内への流入ではなくNa^+の細胞外への流出が重要であると考えられた。さらに、キモ処理血小板では細胞外Na^+/H^+依存性に^<45>Ca^<2+>の細胞内への取り込みが増加すること、Na^+/Ca^<2+>exchangerの阻害剤である3′,4′-dichlorobenzamil (DCB)やbepridilによりαIIbβ3活性化が特異的に抑制されることを明らかにした。これらの成績よりαIIbβ3活性化には当初予想したNa^+/H^+exchangerではなくNa^+/Ca^<2+>exchangerが重要であると考えられた。以上のように、本研究によりαIIbβ3活性化のシグナル伝達機構においてNa^+/Ca^<2+>exchangerの重要性が始めて明らかとなった。
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