研究課題/領域番号 |
07671212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
永井 雅巳 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40180450)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Bcl-2 / アポトーシス / 細胞株 / リン酸化 / 悪性リンパ腫 / 細胞周期 / Fas |
研究概要 |
Bcl-2蛋白は細胞のアポトーシスを抑制することが知られているが、その機構の詳細については、なお不明の点が多い。最近、我々は悪性リンパ腫患者よりヒトプレB細胞株(OZ)を樹立した。OZ細胞はt(14;18)(q32;q21)転座を有しており、同転座をもたないリンパ系細胞株CCRF-CEM細胞に比べ、大量のBcl-2蛋白を発現していた。抗癌剤であるVP16(40ug/ml)をCCRF-CEM細胞に加えると6時間後には全DNA中の29%がアポトーシスに典型的なDNA断片化が観察されたが、OZ細胞では添加後12時間まで顕著な変化を認めなかった。免疫ブロット法による観察では、OZ細胞は大量のセリン残基にリン酸化を受けたBcl-2蛋白が観察された。プロテインキナーゼC(PKC)阻害剤であるcalphostinCをVP16と同時併用すると、OZ細胞ではアポトーシスが促進されたが、同時に行った免疫ブロット法ではこの際にBcl-2蛋白リン酸化の減少が観察された。CCRF-CEM細胞にVP16で誘導されたアポトーシスはTPAの同時処理により部分的に阻害された。これらの結果はBcl-2蛋白の機能はPKCを介するリン酸化・脱リン酸化により制御されている可能性を示唆するものである。t(14;18)(q32;q21)転座を有するリンパ腫に見出される過剰のリン酸化されたBcl-2蛋白はそのリンパ腫発症の上で重要な役割を演じていると考えられる。
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