研究課題/領域番号 |
07671246
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
菱田 明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (70111812)
|
研究分担者 |
山下 冬樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員
藤垣 嘉秀 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20283351)
大石 和久 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90211094)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 急性腎不全 / 虚血 / 酢酸ウラニウム / アポトーシス / 尿細管再生 / 片腎摘出 / 再侵襲 / 細胞増殖 / 虚血性腎障害 |
研究概要 |
急性腎不全におけるアポトーシスと尿細管細胞増殖の役割を検討する目的で、同じ侵襲を加えるにも拘らず程度の異なる急性腎不全ができるモデルを使い、アポトーシスや細胞増殖が障害の程度と並行して変化するか検討した。左腎のみに虚血性腎障害を惹起すると、24〜48時間後の左腎の尿細管障害の程度は、右腎摘出(Nx)ラットでは偽Nxラットに比し軽度であった。アポトーシス小体とDNAのfragmentationによりアポトーシスの誘導を確認した。アポトーシスの出現はNx群では偽Nx群に比し有意に少なかった。PCNA陽性細胞数はNx群、偽Nx群ともに24時間目以降増加したが、Nx群では偽Nx群に比し有意に高値であった。酢酸ウラニウム(UA)静注により血清クレアチニン値の上昇、腎組織障害が5日目をピークとしておこり、14日目にはほぼ投与前値に回復するが、急性腎不全から回復した14日目に同量のUAの再投与を行うと、再投与後の血清クレアチニン値の上昇、腎組織障害の程度は有意に軽度であった。UA投与後にもアポトーシスの誘導を認めたが、TUNEL陽性細胞数で評価したアポトーシスは1回目の投与後に比し再投与後は有意に少なかった。BrdU陽性細胞数は5日目をピークに上昇し、14日目にはほぼ前値に戻ったが、再投与後のBrdU陽性細胞数は1回目の投与後に比し有意に低値であった。以上の結果をまとめると、虚血性およびUAによる急性腎不全においてアポトーシスが認められ、その程度は尿細管障害の程度と並行した。このことは尿細管細胞障害にアポトーシスが関与する可能性があることを示唆している。虚血性急性腎不全において、尿細管細胞障害の強さと細胞増殖反応の強さは逆方向に変化し、UAによる急性腎不全では同方向に変化した。急性腎不全における細胞増殖反応の意義は明らかではないが、この違いが虚血性とUAによる急性腎不全の差によるのか、細胞増殖の評価法の差によるかについて今後の検討が必要である。
|