研究課題/領域番号 |
07671248
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山内 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (10271024)
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研究分担者 |
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 傍糸球体装置 / 浸透圧 / ミオイノシトール / オスモライト / ヘレンの太い上行脚 |
研究概要 |
腎臓糸球体血管極と遠位尿細管密集斑とにかこまれた部分は傍糸球体装置と呼ばれ、糸球体濾過量やレニンの産生の調節に重要な役割を果たしている。両生類での実験では、傍糸球体間質の浸透圧は常に血清レベルより高値であり、尿細管腔液の流量もしくは溶質濃度に比例して増減することが示されている。哺乳類でも傍糸球体間質が高浸透圧環境にあるかどうか、さらにはその生理学意義につき検討した。腎局所の浸透圧を推定するために、浸透圧感受性のオスモライト関連遺伝子であるミオイノシトール輸送体(SMIT)の腎内局在および調節をNorthern blot法及びin situ hybridization法により観察した。SMITは髄質および皮質のヘレンの太い上行脚(TALH)に最も強く発現し、傍糸球体部にも強いシグナルを認めたことから、これらの部位に浸透圧ストレスが負荷されていることが示唆された。このTALH全域と傍糸球体部のSMITはNaCl負荷により著明に誘導され、フロセミド負荷により抑制された。また、培養細胞を用いた実験により、この発現は主に細胞の基底膜側の浸透圧依存性に変化することから、生体内では間質側の浸透圧を反映していると考えられた。すなわち、哺乳類でもTALHの間質側や傍糸球体間質が高浸透圧環境下にあり、溶質の負荷量に応じて変化していることが示唆された。高浸透圧ストレスは細胞増殖や蛋白合成、各種サイトカインの産生に影響を与えることが知られている。SMITの発現を観察することにより、腎局所の浸透圧ストレスを推定できると考えられ、腎疾患の進行における浸透圧ストレスの役割について今後検討が可能である。
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