研究課題/領域番号 |
07671253
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉成 元孝 九州大学, 医学部, 講師 (00191627)
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研究分担者 |
脇坂 正則 九州大学, 医学部, 助手 (60274437)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Mesangial cell / diabetic nephropathy / sodium coupled glucose transporter / type IV collagen / intra-cellular sodium ion / facilitated glucose transporter / spontaneously hypertensive rat / wistar kyoto rat |
研究概要 |
糖尿病性腎症の起序解明のため、ラットメザンギウム細胞を用いて研究を行った。メザンギウム細胞の糖輸担体としてFacilitated glucose transporter 1 (GLUT1)とSodium coupled glucose transporter (SGLUT) が存在し、メザンギウム細胞はブドウ糖をGLUT1・SGLUTにより1:1で取り込んでいることを認め報告した(第38回日本糖尿病学会総会)。メザンギウム細胞上のSGLUTの存在の意義は、糖の取り込みと同時にsodiumionの取り込みを意味し、糖尿病状態で存在するNa-K ATPaseの活性低下による細胞内sodium ionの代謝に影響を与えると考えられた。今後のsodium代謝を研究する上で、SGLUT・GLUTによるグルコースの取り込みを抑制することは重要であるため、SGLUTの特異的阻害剤の0.2mM PhloridzinまたはGLUTの取り込みを抑えるため5mM 2-deoxy-glucoseを用いて、培養し、グルコースの消費量は約50%低下する事が判明した。また、GLUT1の抗体を用いてグルコースの取り込みを調べたが、十分には抑制されなかった。それぞれの糖輸送担体の抑制によるグルコース消費量の低下が糖尿病性腎症の発症起序に重要と考えられるIV型・VI型コラーゲン産生に及ぼす影響についての研究は現在進行中である。また、糖尿病性網膜症の発症起序として、網膜pericyteの初期消失が重要であるが、機能・性質的にはpericyteとメザンギウム細胞は類似することが多く、網膜pericyteのグルコースの取り込みを調べたところ、網膜pericyteのグルコース取り込みは細胞外sodium ion濃度に依存し、0.2mM phloridzinで抑制された。このpericyte,メザンギウム細胞で認められたsodiumに依存したグルコースの取り込みは、網膜内皮細胞では認められなかった。糖尿病性microangiopathyにおいて重要と考えられる、メザンギウム細胞・網膜pericyteのみに存在することは今後の糖尿病性合併症発症起序の解明に重要と考えられ第39回日本糖尿病学会総会に発表予定である。SD ratのメザンギウム細胞の方法論的な研究は確立されたと考えられ、現在SHR・WKYより糸球体を単離しメザンギウム細胞を培養中である。
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