研究課題/領域番号 |
07671258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
長澤 龍司 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70146794)
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研究分担者 |
丸山 直記 東京都老人総合研究所, 分子病理部内, 部長 (00115940)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | DNA結合蛋白 / c-fos / 糸球体硬化 / 加令 / プロトオンコジーン / 細胞外基質 / 老化 / c-jun / メサンギウム細胞 / 加齢 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
遺伝子の発現は、当該遺伝子の発現調節領域に結合するDNA結合蛋白により制御されている。このDNA結合蛋白のなかで最も良く知られたものは癌遺伝子産物である。細胞分裂時や細胞分化において発現される癌遺伝子産物のc-fos蛋白とc-jun蛋白は、細胞内で安定なヘテロダイマー(AP-1)を形成する。AP-1はDNA上のTPA responsive element(TRE)と強い親和性で結合して、発現調節領域にTREを有する遺伝子の発現を調節する。さて申請者は、ラットの腎臓では老化にともないメサンギウム細胞にc-fos、c-junの遺伝子発現が増加する事を世界に先駆けて発見した。老化に伴うラットの腎糸球体の主たる病理像は巣状糸球体硬化であり、様々な細胞外基質の蓄積が認められる。この様な病理組織学的変化はc-fos、c-jun発現の増加を介した結果と推察される。今回申請者らは、c-fosの糸球体硬化における役割を、DNA転写促進因子のgene transferの系や、c-fos transgenic mouseより樹立した培養メサンギウム細胞で検討する実験を行った。まずラットよりクローン化培養メサンギウム細胞を樹立して、c-fos遺伝子を導入し、stable transfectantを得た。さらにc-fos transgenic mouseよりメサンギウム細胞株を樹立した。これら細胞を低糖下(10mM)で培養すると、コントロール細胞を高糖下(30mM)で培養したのと同等、もしくはそれ以上のc-fos発現量であることをコンフォーカル顕微鏡で確認した。低糖下における各種細胞外基質発現をnorthern blot analysisで検討した結果、ラミニンmRNA発現量が有意に亢進していた。よって加齢に伴ったc-fosの増加にラミニンなどの細胞外基質が統御され、それが老化に伴う腎病変の形成に関与している可能性が示唆された。
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